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やっとで第四歩 ページ9

Side RED


年齢とか、ココではあまり関係ない雰囲気がある。

大切なのは「何年ココにいるか」「どれだけの経験をしているか」

だから一つ、納得いかない事がある。






「お前、俺より後輩やろがい」

「いややなーシゲ。同い年やん?」



目の前でニコニコ笑うコイツーー黒崎Aは、俺より後に事務所に入った、いわば『後輩』
やのにコイツときたら「重岡くん、同い年なんやなー…じゃあ、シゲやな!!」とか言って急に距離を詰めてきた。お前には先輩をウヤマウって気持ちはないんかい!


「シゲ、敬うって意味わかって言うてる?」

「うっさいわ!アレやろ、そんけー的な感じやろ」


ちゃんと答えたったのに、生暖かい目でこっちを見てくる。なんやねん、学校の成績が良いからって、バカにしてんちゃうぞ。

そうだ。誰とでも仲良くなれるニコニコ天使ちゃんである俺がどうしてもコイツを好きになれない理由。

ーーAは、俺よりも年上っぽい



同い年だと言うのに、Aは大人っぽく見られる事が多い。まだ高校生なのに、関西ジュニアの年上組扱いをされる事もある。

この間なんか、一緒に移動してたらオバちゃんに「ボク、お兄さんと仲良しでえぇねえ」なんて声掛けられたんやからな!!
Aも否定すりゃええのに「はははー可愛いでしょー」なんて応えやがって!

俺のプライドをぎったぎたにぶちのめすコイツとは出来るだけ一緒に行動したくないのに、家が近いので駅で会う事が多い。無視すればいいのだけど、向こうから話しかけてくるので無視することもできず…


「シゲって可愛えぇよなー」


なんて幸せそうにふわふわ笑うから、強く拒絶する事もできない。


「当たり前やろ。俺はニコニコ天使ちゃんやぞ」

「うんうん。シゲは世界一可愛い天使ちゃんやな〜」


くそぅ。そんな風に同意されると、こっちが恥ずかしくなる。しかも俺の頭をポンポン撫でながら言うなんて…Aやなかったら殴ってるところや。



あまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にする俺と、ほえほえ笑いながら頭を撫でるAを乗せた電車は、いつも通り、稽古場のある駅へと進んでいった。

2→←【小話】鯉党ブラックさんのご乱心



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一華(プロフ) - つーじさん» コメントありがとうございます。生まれ年間違っています!気が付いてくださって、ありがとうございますm(_ _)m入力ミスでした… 今後ともよろしくお願いいたします。 (2018年5月18日 20時) (レス) id: 5bd947b7e6 (このIDを非表示/違反報告)
つーじ(プロフ) - こんにちは。いつも楽しく読ませていただいてます。クロくんの生まれ年なのですが、91年生まれならしげより年上だと思いますが…92年表記の間違いでしょうか? (2018年5月18日 17時) (レス) id: 28ca23d903 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいこ - いえいえ〜これからも頑張ってください! (2018年5月1日 21時) (レス) id: 85263566b6 (このIDを非表示/違反報告)
一華(プロフ) - ゆいこさん» 誤字ですね…教えていただきありがとうございますm(_ _)m修正いたしました。投稿した本人が気付いていなかったので、教えていただいて助かりました…本当にありがとうございます! (2018年5月1日 19時) (レス) id: 5bd947b7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいこ - これぞ日常のとこの二人とも聞いてても〜という濱ちゃんのセリフってのんちゃんではないですか? (2018年5月1日 18時) (レス) id: 1cc38d0c8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:一華 | 作成日時:2016年8月30日 20時

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