白銀少女【ワンピース】２ (ページ5)

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＂バカ？＂ページ5

『……………』

呆れた

それは度を超えた呆れさ

今時、ボートでもない船…しかも海賊船に間違えて乗るなんて聞いたことがない

間違えるとしたら、それは本物の馬鹿か、もしくはとんでもなく疲れるほどの天然さなのだろう

ともかく馬鹿に相違ない

「………あのバカ…

集合場所に迷わず１番乗りなんて性に合わねェ事したと思ったら結局コレか！！」

「海賊船だぞ

もう今頃殺されてっかも……！！」

漁師さんが慌てたように言った

うーん…でも、ロロノアだって＂海賊＂だし…

『…ロロノアって、そこまで弱くないと思うけど』

「サラちゃんの言う通りだ

全くあんたのせいじゃねェよ！！

アレ(・・)は死にやしねェから大丈夫だ
行き先がわかっただけラッキーだ

それより魚あるか？」

『……その話から、魚の話に戻るの？』

まあ、仲間のサンジさんがこんな感じなら大丈夫なんだろうけど

サンジさんが魚を物色し始めたので、飽きてきたわたしは足元の石を転がしながら、海を覗き込んだ

『……………お？』

なんだか、海の底に大きな黒い影が見えた

おまけに泡まで浮かんできている

……今更、沈没船が浮かんできたのだろうか

「おい！！海面を見ろ！！何か出てくる！！」

周りの人も異常に気づいたみたいで、岸際に集まる人たちが増えてくる

『なんだろ……海王類？』

「おいおいおいサラちゃん

いくらなんでも、海王類が浮かんでくる事はねェと思うぜ？」

むっ

『そりゃそうだろうけど、今のはただの仮説であって……』

「でけェぞ！！」

ゴボゴボゴボ……！！

ザバァッ！！！

『！！』

「うわああガレオン船だっ！！！」

「真っ二つの巨大海賊船！！」

浮かんできたのは文字通り、＂真っ二つ＂になった巨大ガレオン船だった

だけど不思議な事に二つに分かれた船の断面は刃物で切ったみたいに綺麗になってる

なぜ？？

「コーティングの失敗でやられたのか…！？」

「海王類にやられたか…！？」

「それにしちゃまるで刃物で斬ったような割れ口だぞ！！」

「バカいえ誰が斬れるんだよこんなでけェ船！！」

うんうん、わたしもそう思う

「合縁奇縁…

疫病神と船に乗り合わせたお前達の運命を恨め」

「見ろ誰か船の上に！！」

見ると、折れたマストの上に刀を閉めた緑の髪の男が座っていた

「…何だ戻ってきたか

どっちでもよかったが……」

『サンジさんさっきから妙に酷くない？』