白銀少女【ワンピース】 (ページ36)

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＂兄ぃの話＂ページ36

『………！』

冷や汗をかきながら、先程の兄ぃとの会話を思い出す

1時間前––––

『新世界？』

兄ぃの口からビックリのワードが出てきた

まだ、＂新世界＂なんて視界に入れてなかったんだけど

「ああ、まだ先にしようと思っていたが路線変更だ

おれが生きている事が政府、海軍にバレたからな」

…ちょっと罪悪感

バレたのはわたしのせいだからね……

「バレたのは別に問題ではないが、また手配書が配布される

となると顔がバレてる分、動きにくいというのは確かだ」

『そうね、前は動きやすくする為に一度死んだ事にしたから…』

「だから、海軍が行動する前に先に動こうと思ってな

もう既にグランドラインの＂研究＂は終えている

残るは新世界のみというわけだ」

兄ぃがリュックの中に何かを探しながら言った

『…じゃあ、わたしも行くの？新世界』

そうなるのだろうか

二年前からずっと一緒だったわけだから

「いや、お前はまだこっち」

『は？』

兄ぃが近くの木をペシペシ叩く

こっちって事はまだグランドラインにいろと？

『…兄ぃだけ新世界に行くって事？

んで、わたしはこっち？』

「そうそう、おれは先に新世界に行くから……

なんちゅう顔してんの」

多分、わたしは物凄いふくれっ面してると思う

理由は…悔しいから

「そんな顔しても連れてかないぞ

まず一.とにかく新世界はちょー危険」

兄ぃが指を一本立てる

…そんな事ぐらい、知ってらぁっ！

「二.お前にはやるべきことがあるから」

『やるべきこと？』

なんじゃそりゃ

「三.魚人島に行け」

『簡潔！』

なんの理由にもなってない

『つーか、二いらなかったじゃん』

「そういうな

三つの方が終わりがいいだろ？」

『………』

「だから、そんな顔すんなって

…まず新世界に行くには魚人島を通らなきゃ行けないが、おれはそれを無視する」

なんて型破りな

『…つまり、兄ぃはわざわざ海中の中を通るよりも自分の＂能力＂を使って入った方が手取り早いと？』

「その通り

だが、魚人島には＂歴史を語る石(ポーネグリフ)＂があると聞いた

それを無視する事は研究に大きな穴を開ける事になる」

『だから？』

「それをお前に頼むってわけだよ、サラ」