君の色をもっと。

暗紅色 <あんこうしょく> ページ30

「ﾁｯ…………」


男の人はどこかに行ってしまった。







『か、かわかみさん…………』


「あ、俺の事知ってるん？」




あ、つい、名前言っちゃった。




……でも、本当に助かった。



『あ、すみません、

……あの。助けていただいてありがとうございました……

いつもQKの動画見させていただいてて……』


「あ、そうなんや。ありがとう！

……さっきは災難やったな。大丈夫？」


「はい、ありがとうございます！」




……嘘だ。本当は少しまだ震えてる。







……ていうか、さっき、彼女って……？








いきなり顔が熱くなる。ボッと音が聞こえたくらい。



「あ、あー、ごめんな？……彼女とか言っちゃって……。
それが一番相手を逆上させないかなと。」

『いえ！実際撃退できましたし！
ほんとに助かりました！』





「え、川上？……とAちゃん！？
知り合いだったの！？」



伊沢さんが来た。


うわ、今日の伊沢さんかっこよ……！
じゃなくて……

『あ、さっき助けてもらって……』

「……助ける？」

「さっきこの子変なやつに声かけられてたんですよ。腕とか掴まれて、やばそうだったんで割って入ったんです。」


「………大丈夫だった？」


『はい！川上さんがいたので！』



伊沢さんは、何か考え込んでしまった。

……どうしたんだろ？



少し沈黙が流れるが、川上さんがすぐに割った。




「ていうか、伊沢さんこそ、




……彼女いたんすね」









「『か、彼女！？』」




川上さんがいきなり爆弾発言するから、伊沢さんとハモってしまった。

いや彼女じゃ！ない……！けど……。


「あれ、あ、違いました？すみません」


「……あ、やべえ、時間が。
Aちゃん、そろそろ行こっか」

『あっ、はいっ』


川上さんの言葉に食い気味に、伊沢さんが言う。

『あの、ほんとにありがとうございました！』

「全然ええで、じゃあね。」




再度お礼を言い、手を振って川上さんと別れる。

伊沢さんがなにか川上さんに言ったのが見えたけど、何を言ってたんだろう？









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リクエストで頂いた、川上さんに少し登場してもらいました！！
……当て馬感が、若干あるけど笑
これからも出てくると思います！


あと、リクエストは具体的にどういうエピソードなのかを言っていただけると嬉しいです！

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