君の色をもっと。

茜色 <あかねいろ> ページ3

『つ、疲れた……っ！！』

莉亜「お疲れ様……」




辺りが暗くなってきて、夕日の眩しいオレンジが教室にまで差し込んでくる。

やっと学祭終わったよ！あっという間だったけど超疲れたな……。
莉亜もすごく疲れた顔してる。


『あとこれ、片してくるね』
莉亜「うん、お願い。」



今日使った音響の機材をよろよろと持ち上げて、元あった場所に戻しにいく。

あ、待ってこれ結構重いわ、ううう！！

目的地まであと数百メートル。耐えろ、私の腕！肩！腰！！！


湿布のCMみたいなキャッチフレーズを脳内に流していると、いきなりふわっと荷物が軽くなる。
思わずうわって声が出てしまう。



「運びますよ。どこまでです？」



え。


え。



い、伊沢さん！？！？！？

うわ〜っっっ！！！やば、えええ！！！！



『あっ、えっと、あそこの701の教室まで………！！』


なんとか平常心を取り戻して答える。
え、まって今何が起きてるの？？？


「重……。よくこんなん持ってましたね。笑」


『あ、はいっ私割と力あるんで！』

か、会話しちゃってるよ！あの伊沢さんと！！！


「あれ、僕もしかしていりませんでした？笑」

うわぁ、
動画通りにお日様みたいに笑う人だ。


『いえいえ！正直重かったので助かります……！！』



どうしよう、何だこの状況。
頭が上手く回らない。
なんとか落ち着きを取り戻して、っと……


『あの、今日はお疲れ様でした！』
「ありがとうございます！いや〜すごい明るい学校ですね！」
『はい、女子多いのでやっぱりうるさいのかも……笑』

ははっ！てまた笑ってくれた。

うわぁ、うわぁ、伊沢さんが！目の前で！！笑ってる！！！


少しの沈黙を経て、701教室に着いた。


私今絶対顔あかいよな。

夕日が差し込む時間帯で良かったって、心の底から思った。

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