月白 <げっぱく> ページ11
「体調悪いのになんで来たんですか〜」
ははは、と明るく聞いてくる伊沢さん。
う、あなたに会うためですよぅ……。
とは言えず。
『私学祭の実行委員で、仕事ありますし……。』
「真面目っすね。笑」
なんて贅沢な帰り道なんだろう。
これで体調が悪くなければ、最高なのにー。
いやむしろ、体調悪いからこんな状況になれてるのか、それなら逆にラッキー？
『ていうか、１日に２回も倒れそうなとこを助けてもらうなんて、恥ずかしいな……。』
「まあまあ、よくあるよくある」
『よくあります！？笑』
編集長は頼りになるだけでなく、喋りやすいらしい。最高かよ。()
ははは！って豪快に笑うとこも好き……。
あれ、好きって感情持っていいのかな。
って、なに知り合いづらしてんだろ。私は1視聴者！
そんなこんなで家に近づいたので、
『あっ、私の家ここです。
何から何まですみません。ありがとうございました。』
笑顔で別れようとすると、なんか伊沢さんの反応が変だ。
何その顔……？
どういう感情……？
「え、え？」
『え、と……。どうしました？』
「いやいえ……。何階ですか？」
『2階です。』
「…………。
せっかくなので、上まで送りますよ。一応心配ですし。」
『？
ありがとうございます。』
さすがにちょっと危ないかな？とも思ったけど、まあ、伊沢さんだし。
他の人には許可しないけどね！
コツ、コツ、と階段を上がっていく。
なんで伊沢さん無言なの……？さっきまでの饒舌さはどこに……。
「あ、ここです〜」
そうして204号室の前に止まった。
紛れもなく私の部屋だ。
「……………………おぉ、まじか〜」
？？
伊沢さんが半笑いというか、なんとも言いがたい表情をしている。
私はまじか、の意味が分からない。
そんな私を察したのか、伊沢さんは視線で、隣の部屋、205号室の表札を示した。
夜の闇に白く光るプレート。
そこには、伊沢、の2文字。
………。
東京に来て3度目の春。
『もしかして、』
今まで名前しか知らなかったお隣さん。
伊沢という人が住んでるのは知ってた。
２年住んでて未だ会ったことなかったけど、
私たちって……
「「隣っ！？！？！？」」
私のお隣さんは、東大王でした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 301人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
曜(プロフ) - まみむめもさん» まみむめもさん、コメントとリクエストありがとうございます！！なんですかそれめっちゃいいですね！！やらせていただきますっ！！ (2019年7月1日 15時) (
レス) id: 56848e67be (このIDを非表示/違反報告)
まみむめも - 伊沢さんと映画見に行ってその映画がラブラブしたもので二人とも映画館ではやばいなこれみたいなだったけど家帰って、、みたいな！のがみたいです笑 (2019年6月30日 11時) (レス) id: 972843b791 (このIDを非表示/違反報告)
曜(プロフ) - れもんそーださん» れもんそーださん、コメントありがとうございます！ リクエストの追記にかかて頂いたのですが、お話の方向性を決めるようなリクエストは承っていません。すみません！m(._.)m ですが、選択肢として自分の中に残しておきたいと思います！^^* (2019年6月30日 9時) (レス) id: 56848e67be (このIDを非表示/違反報告)
曜(プロフ) - すぺるさん» すべるさん、コメントありがとうございます！お返事遅くなりすみません。今回の更新分に少し登場していただきました＊ これからも川上さんに出てもらいたいと思います笑 (2019年6月30日 9時) (レス) id: 56848e67be (このIDを非表示/違反報告)
曜(プロフ) - てぃーらてさん» てぃーらてさん、コメントありがとうございます！ 他の方からも言っていただいているので、伊沢さんとピンクっぽい話も書いていきたいと思います^^* 何か具体的なシチュエーションを言っていただけると大変助かりますm(_ _)m (2019年6月30日 9時) (レス) id: 56848e67be (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：曜 | 作成日時：2019年6月21日 18時
