【鬼滅の刃】陽光の巫女

独学 ページ40

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私の血の匂いをたどって来た数人の鬼が、木の陰からぞろぞろと出てきた。
　




私は、藤の花のお守りを身に着けていない。
　

貰う機会がなかった、とかそういうことではなくて、わざと貰っていないのだ。
　


私は稀血の中でも希少な血らしい。

それは幼少のころから教えられていた。


だから鬼も相当な数が集まってくる。
　



だからこそ、藤の花のお守りを貰わなかった。
　

この血の匂いで鬼から寄ってきてくれるなら、探す手間が省けるというものだ。
　


私の

巫家の目的はただ一つ。
　

惡鬼滅殺
　


私の血は、その目的を達成するために使える囮のようなもの。





「…みなさんお揃いで」
　

数は五。

全員血の気配が濃いから血鬼術を使ってくるだろう。


こっちもこっちで大変そうだ。
　


がんばって猪くん。こっちが終わったら応戦にいくから。




「早いモン勝ちだァアァアアア！！」
　

複数の鬼が一斉に攻撃を仕掛けてくる。
　


伸びる腕、鋭い爪、素早い動きで距離を詰めてきたり、逆に遠方から風を操ったりする鬼もいた。
　

目に見えない攻撃はちょっと厄介だ。

音で判断するしかないが、近くにいる鬼がうるさくてうざったい。
　


…けど、これくらいなら神様に御力を賜るまでもないかな。





「陸地で鬼を相手にするのは、最終選別以来か」
　


腕、なまってないといいけど。
　

距離を詰めるまでもなく向かってくる鬼に一閃をかます。

血鬼術を使ってこなかったのは、私みたいな小娘に負けるわけがないという油断故だろう。
　


なめてもらっちゃ困る。
　

神様の御力がなければ戦えないなんて、そんなの自分が許せない。



だから今までずっと鍛錬してきたんだ。








ずっと、独学で。

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