うん、好きだよ。【名探偵コナン】 (ページ5)

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コンコン、という音で意識が覚醒した。
寝てたのか、と思った後今の状況を理解し、どうぞ、と返事をした。
思ったより掠れた声が出て、側にあったペットボトルの水を口に含む。

降谷「…起こしたか？」

『大丈夫だよ、寝すぎるのも良くないし』

まだ少しぼんやりする意識の中、降谷くんの姿を捉える。
しれっと机に置いてあった花瓶に自身が持って来たであろう花をさす。

『…本当に来てくれたんだね』

降谷「…まあな
容態は？」

『骨折』

場所が悪くてね～全治1ヶ月だって、と付け加える。

『で、なんか要件あるんじゃない？』

ただお見舞いだけ、なんて忙しい彼がするわけがない。
…本当は怒られそうだったから話題を変えたかっただけだけど。

降谷「相変わらず無駄に勘がいいな」

あははと笑って彼を見つめる。

降谷「…ちょっとした事情でな
暫くこの近辺に滞在することになった
そこでだが、これからの生活のほとんどは安室透だ」

いつもより数段小声で彼が告げた。

『…ふーん』

降谷「理由、聞かないのか？」

『んー、聞かないでおいて差し上げよう』

多分本当のこと話してくれないもん。

降谷「何目線だお前は」

『ふふっ、私目線だ』

思いっきり溜息をつかれる。

『じゃあ今度からは安室くん、でいっか』

降谷「安室さん、でもいいんだぞ？」

それは遠慮しておく、と言うと頭を軽くチョップされた。
安室さんと呼べ、と言わないところが彼なりの優しさなのだろう。

…まあ私は〝降谷くん〟の方が好きなんだけど。