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『大丈夫かい?少年』

朦朧とする意識の中、その場に不釣り合いな澄んだ声が聞こえた。
目を開けるのもやっと。
辺りは火の海。煙の濃霧。
そんな中で見たのは一人の女性。
見た目は20代に見える。
が、なんとなく何処かで会ったことある気がした。
記憶を探ろうにもこの状況じゃ不可能。

彼女は俺を抱きかかえ、辺りを見回す。
そして何かを見つけたのか、ピタッと動きが止まって、ごそごそし始めた。

『ちゃんと捕まっててよね〜』

取り敢えず言われるがままに捕まる。
それを確認したのか急に走り出した。

『んっ!』

突如聞こえるガラスのような物、が割れる音。
そして浮遊感と息がしやすくなる感覚。
…息ができる?!

『フゥ〜〜〜〜〜!
やっぱ外涼しい〜!』

デジャヴった感覚とやはり状況に合わない声と言葉にその人の顔をもう一度見上げようとするも、俺は気を失っていた。

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作者名:古。 | 作成日時:2017年12月17日 22時

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