殺し屋やってるらしい。【浦島坂田船】 (ページ41)

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killing night 40 ページ41

「おまたせ、A。足診せにきたんでしょう？足、出して。」

センラは怖い顔をせずにただ足を診てくれた。

「さっき、あの資料見た？」

『ごめんなさい。見た。」

センラは目を細めあの資料の話を始めた。

「なんで謝るん？ええで、いつかは話そうと思ってたことやさかい。」

センラは怒ることなく淡々と話をしてくれた。

「僕、妹がおったんよ。まだ小学生で小さかってんけどあの緑色瞳症候群に巻き込まれた。でも、割とすぐに帰ってきた安心したんよ、目が緑になってもなんも妹は変わらんかったから僕は良かった。でもな、これ見て。」

センラは立ち上がり机から一枚の資料を持ってきた。

＜緑色瞳女学生殺人事件＞
緑色瞳症候群にかかった女学生が次々と殺される事件。生き残った女学生がいるかは不明である。

「僕の妹は殺された。僕はね、それが許せんくてあの事件のこと全て知るまで諦めきれんで、あの日妹を殺したあいつとおんなじことをしとったらいつかわかるんちゃうかって思って今僕はこんな殺し屋やっとる。」

『それは、妹への罪滅ぼし？』

「結構冷たいこと言うんですね。でもそうです。Aを見たときあの時の妹の目とおんなじやった。」

『だからこの船に連れ帰ったの？』

「それだけやない！純粋に殺し屋としてのAに興味があったし、Aを知って性格を知って惹かれたのも本当や、でも事件のこと少しでも覚えてればいいって思っとった。」

私は自分が緑色瞳症候群だなんて知らなかった。先生はそんなことは教えてくれなかった。

『ごめんなさい、私やっぱり思い出せない。』

「謝らんで、もうええんよ。Aがおってくれるだけでええんよ。」

センラは優しく私を包むように抱きしめた。

私は何かの形でセンラやみんなに恩を返したかった。
今の私は記憶がない。

「Aの先生のこと教えて。Aが一番古い記憶はその先生なんでしょう？」

『わかった、でもみんなに話しておきたいからみんなのいる所でいい？』

「もちろん。」