殺し屋やってるらしい。【浦島坂田船】 (ページ38)

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killing night 37 ページ38

『こんなことをして…どうするつもりだ…』

痛む足を抑えながら男に問いかけた。

「なんだ、この辺で珍しい船があると思って行ってみれば懐かしい緑眼の女がいる。こんなのは高値に売れるに決まってる。大人しく俺の金になってもらうぞ。」

男から出る言葉からはどれも反吐が出そうだった。足さえ治っていればすぐに殺せるのに。

『お前なんかの、金になる気は毛頭ない！！』

ギロリと男を睨みつけた。

「うるせぇな！黙ってろ！」

私の気を失わせる気なのだろう。
手を高く上げ振り下ろそうとしたその時。

バン！！
と大きな銃声に男は自身の腹付近を強く押さえつけた。

撃たれたのは男だったのだ。

「Aを売る？高値で売れる？金になってもらうだと？ふざけんな。Aはお前なんかには渡さねぇよ。」

足音と共に聞こえてきたのは明らかに怒っている志麻の声。
私の声に気がついて来てくれたようだった。

志麻がもう一度男に銃を撃ったと同時に私の視界は真っ暗になった。

「A、平気？」

私の目を手で覆ったのは坂田で後ろの方からいつも坂田から香る花の香りがした。

『少し、足が痛い。』

「そか、踏まれたんや。ふぅん…」

顔は見えないけれど坂田も少し怒っているような声色だった。