殺し屋やってるらしい。【浦島坂田船】 (ページ25)

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killing night 24 ページ25

「なーあー、Aも一緒に食べようやー」

『いや…私はいい…』

「そんなこと言わんと食べようやー」

駄々をこねてぷんぷんする坂田は私の部屋となったここを出て行ってはくれない。

坂田は私と一緒にリビングで食べたいらしい。
誘い自体は嬉しいのだ。

でもここは彼らu.s.s.sの家というか船だ。

私はいわば住まわせていただいている身なのでさにも家族かのように振る舞い、リビングで共に食事をするというのはなんとも失礼にあたる。

坂田だけだというのならまだ軽く了承したかもしれない。
だが、u.s.s.sの中には私を殺そうとしたうらたもいるのだ。

いくら殺す気が失せたとしても同じ食卓を囲んで食べるというのはいい気分はきっとしないだろう。

「なー、行こうやー。心配せんでもセンラは毒なんて入れてへんってー」

そんなことはわかっているし、そんなことは眼中にはなかった。

第1、センラが毒なんてご飯に盛っていたのなら私は今頃生きてなどいないのだから。

昨日運んできてくれたご飯を私が食べていた光景を坂田は見ていなかったのだろうか。

『でも…』

「坂田、何しとるん？ご飯食べへんの？」

「センラ！なぁ、Aもリビングで食ってええやろ？」

「何言ってるん、僕最初からそのつもりやったんやけど。」

『えっ…』

「やって！ほら、A行こ！」

坂田とセンラに半ば強制的にリビングへ連れて行かれた。

「お、Aやっときた。」

待ちわびたかのように志麻が手を振る。
目についた先のテーブルには5つ分の食事が用意されていて、本当に一緒に食べる気だったのだと思う。

「お前、こっち。」

そう言い、手を引っ張られて座った先はうらたの隣だった。
私が一緒に食べることはてっきりうらたは嫌がるのかと思っていた。
特に表情変えることなく座っていた。

「あー！うらさんずるい！俺がAここに連れてきたんやで！」

「知るか。」

またもやぷんぷんする坂田を横目に食事は始まった。

誰かと食卓を囲むのはだいぶ久しぶりだった。

センラのご飯は美味しかった。