兄さん。【伊東歌 詞太郎】

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「兄さん、泣かないで」





ヒョロヒョロの妹が僕の腕の中で倒れこんでいる




頬を伝う涙を拭ってくれるのも僕の頬から涙が流れるのも




妹の最期が今日なんだとわかってしまったから





いなくなるには早すぎる





妹は笑っていた





「兄さん。兄さんはね世界で一番かっこいいよ」






そんなわけない




僕は世界で一番情けない男だよ








でも






僕は世界で一番妹が大好きだった




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「兄さん。









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　 大好き。」








そう言って妹は目を閉じた

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