妖怪屋敷で暮らしましょう【オリジナル】 (ページ27)

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静稀｢なんだよ、こっち見るんじゃねーよちくしょう…。｣

顔が真っ赤になってだらける静稀さん。

小紅｢ご、ごめんなさい…。｣

悪い事をした訳じゃないのに、なぜか謝ってしまった。

そんなところで、八千代ちゃんが私たちの方に寄ってきた。

八千代｢やだ、静稀…お酒臭い。｣

静稀｢おう、八千代じゃねぇかぁ…元気かぁ～？
　お前を拾った時はビックリしたぜー。まさか俺の弟の隠し子… 八千代｢ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ｣

え、今隠し子って…

というか静稀さんって妖怪なんじゃないの？妖怪にも兄弟とかあるのかな…？

八千代｢静稀はいっつも酔ったらあたしの話ばっかりするのよ！｣

何故か誇らしげに語る八千代ちゃん。なんか可愛いかも…

八千代ちゃんの為にも二人きりにしといた方がいいかな？

そう思って、席をはずそうとしたとき…誰かに服の裾を引っ張られた。

静稀｢おい、どこに行くんだ小紅。｣

振り返ると静稀さんだった。その目はまるで甘える子供のようで、何故かドキっとした。

小紅｢その…えと、玄さんの所です！｣

静稀｢ふーん、また玄かよ。なあ、玄なんかやめて…俺と契約しねえ？｣

え…

玄｢し～ず～き～？うちの人に何言ってるんですか？｣

静稀｢…げっ、噂をすれば何とやらだな。｣

玄｢残念ですが、うちの小紅は渡しませんよ？｣

怖い顔で玄さんが言う。

静稀｢わーってるよ。冗談だ、冗談。｣

玄さんは私を庇うように抱き寄せて、静稀さんの元を離れた。

ふと、後ろを見ると…泥酔する静稀さんの後ろで八千代ちゃんが固まっていた。

それから、数分経って―

私と玄さんは気まずかった。

小紅｢あの、玄さん…さっきの…｣

玄｢いや、その、あの、別に…特にそれという特別な意味じゃなくてですね…｣

小紅｢そんなに焦らなくても…分かってますよ。｣

玄｢あ、すいません…。｣

小紅｢？何がですか？｣

玄｢よ、呼び捨てで呼んでしまって…｣

小紅｢…あ。｣

全然そんなこと考えてなかったのに。

そういえば、玄さん…私の事｢うちの小紅｣って…！

考えていると、とっても恥ずかしくなった。