無陀野センセー大好きな女の子 (ページ9)

今日:6 hit、昨日:13 hit、合計:13,733 hit

9 ページ9

邪魔はしない、と言っていたが、本当にあの様子で動けるのだろうか、と梵を横目で見た瞬間。
梵の頭の位置に桃草の能力である箱の断片が現れ始めた。

「！おい！」

皇后崎は梵の方に走り出そうとしたが、それより早く梵がフラッと後ろに動いた。桃草の能力からはギリギリ逃れられたようだ。

「チッ、動いてんじゃねーっすよ！」

今度は梵の腕の部分に箱が現れた、と皇后崎が認識した瞬間には梵はまたフラッと体を傾けて箱を避けた。
ムキになった桃草が何度も能力を使用するが梵はおぼつかない動きで避け続ける。その間も顔色は蒼白だ。

一向に攻撃が当たらない桃草はイライラした様子で舌打ちをした。
見た瞬間に完璧に避けれる攻撃じゃないのに…まさか予測して動いている？だとすればこのガキ、かなり厄介なんじゃ…
と思考していた所に皇后崎が走り込む。

「！」

皇后崎は桃草へ攻撃を出しながらもう一度梵の方を見た。
変わらず顔色ほ悪く、押しただけで倒れてしまいそうではあるが、さっきの攻防を見た限りでは自分が守らなくても大丈夫だろう、と判断した。