無陀野センセー大好きな女の子 (ページ24)

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｢部屋決め？｣

最前列の1番左側に座っている梵はチラと右後ろを見た。
それぞれ席に座ったクラスメイトが不思議そうに無陀野へ目線を向けていた。

｢全寮制だからな
2人部屋だパパッとペア作れ｣

淡々とした説明への反応は様々だった。

｢何それ！修学旅行みてぇ！おもろ！｣

｢人と生活とか勘弁しろよ！｣

教壇邪魔じゃない？なんであるんだろセンセーの足見えない、いや見えてなくてもわかる足の長さスキすぎるかっこいい
ニコニコしながら全く別のコトを考えていた梵は、ハッと咄嗟に姿勢を正した。
無陀野が彼女へ視線を向けたのだ。

｢お前は今の部屋のままだ｣

無陀野に構ってもらえた梵はパァと表情を明るくした後コクコクと頷く。

｢え！？梵一人部屋かよズリー！｣

一ノ瀬の文句も花を飛ばしそうなほど上機嫌な梵には届いていなかった。

｢先生！一人余りますけど！｣

遊摺部が勢いよく挙手し、梵が一人部屋であることから生まれた疑問を質問する。
無陀野は組んだ腕も無表情も崩さずになんでもないようにそれに答える。

｢余った一人は『俺と同室』だ｣

教室が静まり返った。
誰かの息を飲む音が聞こえる。教師、それも無陀野と同室。イコール地獄。生徒の半数はこの考えにたどり着いた。
一方で、既に部屋が決まっている梵もショックを受けていた。

え！？何ソレズルい！！いいなずるいなセンセーとずっと一緒なんて…
お風呂上がりも寝顔も寝起きも全部見られるなんて…！！絶っっったい部屋いい匂いだし綺麗だし寝相いいしでもたまに寝返りうって次の日寝癖とかついてたらチョー可愛い好き無理
ちなみに梵が無陀野と同室になった場合一日持たずに気絶するため風呂上がりも寝顔も寝起きも見られない。