無陀野センセー大好きな女の子 (ページ11)

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幼さを残しつつも完璧なまでの美しさを持つ少女が、まるで人形のように、あるいは絵画のように、無機質な血の気のない姿をしていた。
そんな少女がある人物の存在に気づいただけで、花が咲くように、命が吹き込まれたように、瞳を輝かせ、頬を健康的な赤色に色づかせ、破顔した様は1つの芸術作品のようであった。

無陀野の後ろを走っていた鬼機関の隊員たちは、少女の姿に一瞬で目を奪われた。
まるで助けを待っていたお姫様のようだ、ここが血まみれの地下通路でなければ
と1人の隊員は惚けた顔をしながらそう思った。

「もう逃がさないぞ」

無陀野が腕を組みながらそう言うと、視線だけで生徒の様子を確認する。
皇后崎と矢颪は怪我は無いみたいだが…
スっと梵の方に視線を向ける。

「…怪我は」

目が合った梵がいつも通り頬をより染めるのを見て、怪我の確認をする。

「わ、私はだいじょ、あっ！京夜くんがっ！」

大丈夫、と答えようとした途中でまた顔を青ざめさせて慌て出す。
青白くなってしまったその顔に無陀野は眉をひそめた。

「ないとくん、途中、そっちで京夜くん見てない？？」

梵の言葉が言い終わらないところで腕がグンッと引っ張られ気づけば梵は無陀野の体に背中を預けていた。

「…………へ」