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目の前で、あの方が苦しんでいる。
傷だらけで、息も絶え絶えで……
そんな状態で、炎に囲まれ苦しみながら私の名前を呼んでいるのだ。
「亮平──」
「────っ！！！」
あの方が私を見ている。
炎に飲み込まれながら、私の方に手を伸ばしている。
助けなければ！！！あの方を！！！
そう思って私が手を伸ばしても、あの方に届かない……
炎にのまれていく、あの方がのみこまれていく……
あの方の息遣いはどんどん荒くなっていく
あぁ……そうだった。
あの方は炎にのまれ死んだのだ
金に目が眩んだ愚か者のせいで、
国が、あの方を恐れるがあまりに、必要以上に攻撃され
無惨にも散ってしまったのだ
「仇を……仇を取れ……」
「──！！！？？」
「私の、仇をとってくれ、亮平！！！」
私の頭に響くその声はたしかに仇を取れと言う。
何度も何度も反響し、私の中に響くあの方の声……
あぁ……あぁ……酷い、なんて酷い
あの方は正しいことをしようとしていただけなのに…
あの方は私を助けてくださった
私の希望だった
私の、大事な大事な…家族を……奪ったのは誰だ？
あの方を傷つけたのは、あの方の命を奪ったのは…
あの兵士だったか？裏切り者のアイツか？
いや違う
私の大切なものを奪ったのは…
力を持っている、ただそれだけで理不尽な仕打ちをしてきたやつらだ
何もしてない、ただ存在している、ただ、ただそれだけで差別してきたやつらだ
そうだ、あの方はそんな世界を変えるために立ち上がったのだ、世の中をひっくり返すために、そのために立ち上がったのだ
「亮平……お前を…信じているぞ…」
あの方がそう言っている…。
あの方が私を頼りにしてくださっている…。
あの方は正しいことをした…
ならば私がやることは、決まっている
そう思った瞬間に、私の中に何かが蠢くのを感じた
あぁきっと、これが私の力なのだ、今まで気づいていなかった力だ
「仇を取れ、亮平」
私は亮平……阿部亮平だ。
あの方の1番近くにいた人間だ。
あの方に救ってもらった人間だ。
……仇を取れるのは私だけだ
あの方を奪った世界なんていらない。
こんな世界なら滅んでしまえ！！！
私がやることは決まっている…
見ててください、あなたの仇、私がとってみせますよ。
あの方が私の目の前で頷いている。
仇をとる。
私の敵はこの国、いや、この世界だ────
続く
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さくら(プロフ) - orikacoさん» コメントありがとうございます！温かいお言葉、本当にありがとうございます、励みになっております！これからも亀更新ではございますが楽しんでいただけるよう精進します！ (2023年2月18日 23時) (
レス) id: 1995ada5eb (このIDを非表示/違反報告)
orikaco(プロフ) - お忙しい中、更新ありがとうございます！久しぶりの更新に歓喜しております( ˊᵕˋ*)さくら様のペースで大丈夫なので、これからも頑張って下さいね。気長に楽しみにしています。 (2023年2月8日 21時) (レス) @page20 id: 95f4d7b396 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 鳥本さん» コメントありがとうございます。お礼を伝えるのが大変遅くなってしまい申し訳ありません。温かいお言葉本当にありがとうございます！ (2023年2月8日 21時) (レス) id: 1995ada5eb (このIDを非表示/違反報告)
鳥本 - すごく面白いです (2021年12月5日 19時) (レス) @page16 id: 68c869632c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2021年6月12日 18時
