55 ab side ページ11
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夢を見た、懐かしい夢だった。
翔太への恋心を抱いたのは、出会ってからしばらく経ってからだった。最初の方は翔太はダテ以外の人間を警戒して心を閉ざしており、近づくだけで睨まれたのを覚えている。
それでも諦めずに話しかけたりして、翔太は私やあの方への警戒を解いてくれ普通に話すことが出来るようになった。
そんなある日
｢翔太〜？｣
なんの予定があったのかは忘れてしまったが、私はその日、翔太を探していた。
部屋にはいなくて、居場所を知ってそうなダテも知らないしで探すのに手間取っていた時…
｢♪〜♪〜｣
どこからか歌声が聞こえてきた。
その声に引き寄せられるように、声がする方へと歩いていくと、とある木にたどり着いた。どうやって登ったのか、割と高い場所で腰掛けて歌っていたのは探していた翔太だった。
｢…。｣
透き通るような歌声や、歌っている時の表情があまりに綺麗で…儚かった。
｢…何？｣
｢あっ、ご、ごめん翔太。｣
｢何で謝ってんの？｣
｢お邪魔したかなって。｣
｢別に。なんか用事？｣
そう言いながら翔太は俺の前に飛び降りてきた。
｢あっ…えっと…。｣
さっきの翔太の歌声と表情が忘れられなくて、俺は上手く言葉を繋ぐことが出来なかった。
｢何？俺なんかついてる？｣
｢い、いや！なにも！！…ねぇ、翔太。｣
｢何？｣
｢さっき歌ってた曲ってなんていうの？｣
｢知らない。気づいたら覚えてた。｣
｢そうなんだ。翔太、歌上手なんだね。｣
｢…どうも。｣
言葉は無愛想なくせに、頬を赤くしている翔太を可愛いと思った。その日以来、私は翔太を意識するようになり、想いを寄せるようになった。
────
｢夢か…｣
目が覚めた時、まだ外は暗かった。
この夢を見るなんて、今日過去の話をしたからだろうか…。
翔太への想いは…そんな簡単には消えなくて…。
散り散りになってからもずっと忘れられなかった。
ダテと再会した時に"翔太が生きているかもしれない"と聞かされた時は、柄にもなく取り乱してしまった。
｢…。｣
わかってる。
今の自分は"雪の街"の"リョウ"。あの時とは守るものが違う。
私は守るものを間違えるほど馬鹿じゃない…。馬鹿になっては…いけない。
明日は仕事に出なくては…ずっと康二たちに迷惑をかけるわけにはいかない。
明日の為に再度眠ろうとした時…
『♪〜♪〜』
｢…！？｣
どこからか歌声が聞こえてきた。
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さくら(プロフ) - orikacoさん» コメントありがとうございます！温かいお言葉、本当にありがとうございます、励みになっております！これからも亀更新ではございますが楽しんでいただけるよう精進します！ (2023年2月18日 23時) (
レス) id: 1995ada5eb (このIDを非表示/違反報告)
orikaco(プロフ) - お忙しい中、更新ありがとうございます！久しぶりの更新に歓喜しております( ˊᵕˋ*)さくら様のペースで大丈夫なので、これからも頑張って下さいね。気長に楽しみにしています。 (2023年2月8日 21時) (レス) @page20 id: 95f4d7b396 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 鳥本さん» コメントありがとうございます。お礼を伝えるのが大変遅くなってしまい申し訳ありません。温かいお言葉本当にありがとうございます！ (2023年2月8日 21時) (レス) id: 1995ada5eb (このIDを非表示/違反報告)
鳥本 - すごく面白いです (2021年12月5日 19時) (レス) @page16 id: 68c869632c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2021年6月12日 18時
