・ ページ3
数年前
俺がまだ高校1年生の時。
当時俺は今みたいに筋肉がついてはおらず、むしろひょろひょろとしていた。けど、顔が怖く見えるのは当時からで…変なやつらに絡まれることも多かった。
その日も学校からの帰り道、全然知らない他校の生徒数人に絡まれてしまった。
｢なにガンつけてんだ？｣
｢生意気そうな顔しやがって。｣
(…めんどくせぇ。)
とりあえず適当に話を流して、隙を着いて逃げよう。そう思っていた時だった。
｢あれあれー、ウチの生徒じゃん。後輩？｣
そう言ってヘラりと笑って歩いてきたのが、茶髪で制服をめちゃくちゃ着崩して着ていたふっかだった。
｢なんだお前？｣
｢いやー、ごめんね？ウチの後輩なんかした？｣
そう言って笑顔で相手を見ているふっかは完全に目は笑っていない。
｢お前関係無いだろ、すっこんでろ。｣
｢後輩くん、君なにした？｣
｢えっ…いや。何もしてない…です。｣
俺が戸惑いながらそう言うとふっかは俺の方を見てにこりと笑い、
｢よし、じゃあこういう時は…｣
そう言うとふっかは向こう側に手を振り
｢おーい、おまわりさーん！！｣
その声にビビったのは他校の生徒たち。生徒たちは慌ててふっかが手を振った方に目を向けた。
相手が気を逸らしたその一瞬の隙に、ふっかは俺の手を掴むと
｢逃げるが勝ちっしょ。｣
まるでいたずらっ子のように笑ってその場から俺を連れて逃げた。
その生徒たちは俺とふっかを鬼の形相で追いかけてきたが、ふっかは逃げるのが上手く、5分もしないうちに完全にそいつらを巻く事が出来た。
｢あの…ありがとうございます。｣
｢いいのいいの。災難だったね。｣
その後ふっかは俺を最寄りの駅まで送ってくれた。その間、お互い名前を聞くこともせず本当に他愛もない話をして歩くだけだった。
｢あっ、俺もうここなんで…ありがとうございました。｣
｢そっか。じゃあ気をつけて帰れよ。｣
｢…はい。｣
それだけ言うと、ふっかは俺に軽く手を振ってどこかに行ってしまった。
これが俺とふっかの出会い。
そして…俺が彼に恋に落ちた日でもある。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2659人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくら(プロフ) - kumiさん» コメントありがとうございます。私も様々な種類があることを初めて知りました。素敵な言葉が多くてびっくりしました。温かい言葉、ありがとうございます。これからも楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2021年10月17日 0時) (
レス) id: 3b24a3fa1b (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - はじめまして。月が綺麗ですねって、言い方によって意味が少し変わるんですね 初めて知りました！ いつも楽しい作品をありがとうございます これからも更新楽しみにしてますね いつ通知が来るかなって、毎日ワクワクしてます (2021年10月16日 21時) (レス) id: d80b64fe5e (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - まなさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません。お褒めの言葉をこんなに頂けて本当に嬉しいです、励みになります！ゆり組私も大好きです。まだまだ拙い作者ですがこれからも楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2021年8月28日 17時) (レス) id: 3b24a3fa1b (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませて頂いています。私なんぞが言っていいものかと思いますが、作者様は細かい演出がとてもお上手だと思いました。だけど、くどくなくて入り込みやすいです。私はゆり組大好きです。また書いてもらえたら嬉しいです。これからも応援しています☆ (2021年8月23日 23時) (レス) id: ea11267275 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 翠さん» 温かいお言葉、めちゃくちゃ嬉しいです、本当にありがとうございます！！私も箱推しです♪｢あべさく｣のお話はもう少し続く予定なので楽しんで頂けるように頑張ります！ (2021年3月28日 23時) (レス) id: a032dab111 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら
| 作成日時：2021年3月17日 0時
