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｢だって凄いことじゃん！普通の人間には使えないんだよ！！｣
｢佐久間くん…。｣
すると、
｢ふふっ、ラウの反応、わかる気がするわ。外の世界は他と違う人間は偏見とか、悪意とかで虐げられてまう。俺も…そうやった。｣
｢康二くん…。｣
｢俺も異能持っとるから…。｣
そう言うと康二くんは少し悲しそうに笑い、右手に身につけていた茶色い手袋を外し、掌を上にしてそこにフーっと息をふきかけた。するとその息が白くキラキラと光り、周りの空気が少し冷たくなった。
｢わあ！｣
｢おお、康二！！めっちゃ綺麗！！｣
｢これが俺の異能。雪を操る能力。｣
康二くんはそう言ってまた手袋をはめた。
｢この手袋つけてると自分の力、制御できるねん。付けてないと…触れる物全部凍らしてまう…。やからな、俺自分の住んでたところでは周りに怖がられて、虐められて…逃げてきてん。｣
｢康二くん…。｣
彼の話に、僕の胸が締め付けられるように傷んだ。
｢けどな、この街は違う。そんなん気にする人もおらんし、差別なんてない。みんな仲良く、助け合って生きていけるねん。｣
｢そうだよ！だからもしラウールが今までなにか差別を受けてたり、辛い思いをしていたとしても…ここではそんな思い、絶対させないから！｣
そんな言葉…そんな優しい言葉、久しぶりに聞いた気がして…あぁ、また僕の目から涙が零れ落ちそうだ。
｢ラウール…。｣
｢僕…異国の血を引いてるし、親が異能持っていたから…。昔住んでいた村では友達なんていなくて…ずっと虐められてた。唯一優しくしてくれたのは僕の一族だけで…。｣
そう俺が話を始めた時だった。
バーン、バーンッ
｢何の音！？｣
急に外から聞こえてきたのは、2発の何かが破裂したような音だった。康二くんはその音が聞こえた方角を見て
｢これ裏門の方からやない…？｣
｢…リョウちゃん！！｣
佐久間くんはそう言うと慌てて立ち上がり物凄い勢いで走っていった。
｢さ、佐久間くん！？ラウ、ごめん俺も行く！！鍵は閉めていくけど、誰もここにあげたら…ってラウ！？｣
俺を呼び止めようとする康二くんの声にも気付かず、俺は急いで佐久間くんの後ろを追いかけた。
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さくら(プロフ) - ふさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません！温かいお言葉もありがとうございます！更新再開させていただきます！楽しんで頂けたら幸いです！ (2021年3月17日 1時) (
レス) id: b581847efb (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 更新楽しみにしてます！頑張ってください☆☆☆ (2021年2月16日 21時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2021年2月3日 21時
