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案内されたのは広くて綺麗に整えられた部屋。
｢遠慮しないでくつろいで。｣
｢は、はぁ…。｣
するとどこかから座布団を人数分運んできた康二くんがニコニコ笑いながら
｢ここな、リョウちゃんのお部屋！リョウちゃん綺麗好きやからお部屋も綺麗やろ！？｣
｢は、はい！｣
僕がそう言うと、
｢そんな堅苦しくなくていいよ。私のことはリョウちゃんって呼んでくれていいから。｣
｢えっ…でも。｣
驚く僕に、康二くんはニコッと笑って
｢ふふっ、ラウール！ここはな他の町とは全然違うねん！生まれも育ちも異国の血も、そして…異能も関係ない！！｣
｢そう…。だからラウール。そんなに緊張しなくていいんだよ。｣
｢…ありがとうございます。｣
そんな話をしていると
｢リョウちゃぁぁん！お腹すいたぁぁぁぁぁぁ！！｣
｢あー！佐久間くん！｣
ドタバタ走ってやってきたのは、桃色の着物を着た、ふわふわした金髪の小柄な青年だった。その人は俺を見るなり目を輝かせて、
｢およ、初めましての子がいる！！俺佐久間！！よろしく！｣
｢よ、よろしく…お願いします。｣
｢こら佐久間。ラウールをあまり驚かしてはいけないよ。｣
｢はーい！リョウちゃん！｣
しばらくすると康二くんが人数分のご飯を運んできてくれた。
｢う、うわぁ…すごい。｣
｢お口に合うといいんだけど。｣
｢い、いや僕にはもったいないです…。｣
僕の前に運ばれてきたのは大きな白米のおにぎりが2つ、そしてお味噌汁、魚の煮付け、野菜の煮物など…。僕が今まで食べてきたものとは比べ物にならないくらいに豪華なものだった。
｢ふふっ、ラウールは若いんだから、遠慮せずに食べないと。｣
｢せやでラウール！！はいこれ俺のもあげる！｣
そう言って康二くんは俺のお皿にお野菜の煮物を入れてくれた。
｢こら康二、苦手なものをラウールに押し付けるんじゃないよ。｣
｢うっ、バレた。｣
｢ふふっ。｣
こんなに賑やかな楽しい食事はいつぶりだろう。ここ最近はまともに食事も取っていなかった。ましてや誰かと一緒にということもなかった。
｢ラウール？｣
｢あれなんで…。｣
気がつくと僕の目からは涙がこぼれていた。慌てて涙を拭おうとすると、リョウちゃんが隣に座ってくれて、僕の頭を優しく撫でた。リョウちゃんの手は少し冷たかったけど、とても優しい手だった。
｢大変だったね。もう大丈夫。｣
その言葉に安心した僕はリョウちゃんに抱きしめられて静かに涙を流した。
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さくら(プロフ) - ふさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません！温かいお言葉もありがとうございます！更新再開させていただきます！楽しんで頂けたら幸いです！ (2021年3月17日 1時) (
レス) id: b581847efb (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 更新楽しみにしてます！頑張ってください☆☆☆ (2021年2月16日 21時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2021年2月3日 21時
