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｢あいつらはラウールを狙ってまたここに来るだろうよ。暫くは警戒した方がいい。｣
ダテの言葉に2人は頷いた。
｢ラウールはできるだけ1人にしない方がいいだろうね。康二と、出来れば佐久間にも頼もうか。あと、照。お前も気をつけた方がいい。｣
｢…深澤か。｣
照のことを知っているようだった深澤は、きっと照に近づいて来るだろう。それに、どうもただの知り合いではないような、そんな何かをダテとリョウは感じ取っていた。
｢それと、もし、なにか思い出したらその都度言ってほしい。｣
｢あぁもちろん。｣
｢あと、裏門も暫くはいつも以上に警戒した方がいいだろうねぇ。｣
リョウがそう言うとダテと照はそれに同意した。
｢私たちだけでは手が回らないだろうね。何とか上手く門番の上の者に掛け合ってみるよ。大事にはしたくないから…それとなく伝えてみる。｣
｢頼んだ。｣
｢話は早い方がいいだろうから今から行ってくるよ。｣
そう言ってリョウは身支度を済ませて部屋を出ていった。
2人きりになった部屋でダテと照はお互い何をするでもなく座っていた。しばらく2人は無言であったが、先に口を開いたのは照だった。
｢…ダテさん。｣
｢どうした？｣
｢もし、俺が記憶を思い出した時、あいつら…深澤みたいに村を滅ぼすような…そんなやつだったら…どうする？｣
｢…。｣
｢思い出して…最低な人間だったら…どうしたらいい？｣
そう言って俯く照…。
｢知り合って間もない俺が言うのもなんだけど。どんな過去だったとしても、お前はお前だよ。｣
｢えっ…？｣
｢過去を思い出して…それがどんな人間だとしても、お前がここにいたいと願うなら俺はお前を受け入れる。｣
｢…なんで？｣
すると、ダテはにこりと微笑み、
｢目の前の照がいいやつだからだよ。｣
｢ダテさん…。｣
｢たぶんだけど、それは俺よりも長くここにいる康二や佐久間、リョウの方がよく知ってるだろう。あいつらなら俺と同じことを言うだろうよ。あと、ラウールもな。｣
ダテがそう言うと、照は俯き、鼻をすする音が聞こえた。ダテはそんな照の肩を優しく叩き、部屋を出ていった。
｢さて…アイツらが…どう動くかだな。｣
そうダテが呟くのと、薬屋に、たくさんの荷物を抱えてラウールたちが帰ってきたのはほぼ同じタイミングだった。
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さくら(プロフ) - ふさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません！温かいお言葉もありがとうございます！更新再開させていただきます！楽しんで頂けたら幸いです！ (2021年3月17日 1時) (
レス) id: b581847efb (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 更新楽しみにしてます！頑張ってください☆☆☆ (2021年2月16日 21時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2021年2月3日 21時
