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着物の男に担がれてやってきたのは、先程の海から少し離れた山の中にある、鮮やかな建物が建ち並んだ場所だった。
｢ここは…？｣
｢雪の街っつう場所だ。お前さんみたいな異国の血を持つもの、様々な理由で差別されたものが多く住む場所さ。
もちろん普通の人間も住んでいるがここでは外の世界の常識なんて当てはまらない。｣
｢…こんな綺麗な場所初めて来た。｣
僕の反応を見てその着物の男は面白そうに笑った。
｢いや〜可愛らしい反応するねぇ。｣
すると、
｢あぁぁぁぁぁぁぁぁ！！ダテ！！｣
遠くの方から｢ダテ｣と叫びながら猛スピードで1人の青年が走ってきた。
｢おっ、康二じゃねえか。｣
｢もう、どこ行っとったん？今日は俺と剣の訓練する言うたやん！！…ってえ？誰この子？？めっちゃ可愛い！｣
着物の男に｢康二｣と呼ばれた青年は、橙色の衣を身に纏い、両手には茶色い手袋をつけていた。そして、僕が聞いた事のない訛りで勢いそのままに話し、小動物のように僕たちの周りではしゃいでいた。
｢おいおい、康二。そんな勢いで話してたらラウールはなんも話せねぇじゃねえか。｣
｢わあっ、ラウールっていうん？あっごめんな！俺めっちゃおしゃべりやねん！俺は康二！よろしゅうなー！｣
そう言って僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。僕がその勢いに圧倒されていると
｢ラウール、こいつはお前と同じで、異国の血を引いてるやつだ。｣
｢えっ、あっ、だから話し方…。｣
｢あっ、ちゃうちゃう！確かに俺異国の血入ってるけど、この話し方はその異国のものとちゃうんよ。これは俺の昔住んでた地方の話し方！あのなー…｣
そう話を続けようとしたその人に、
｢まてまて康二。今ラウールめちゃくちゃ怪我してんだ。話は手当の後！｣
｢えっ、あっ！ほんまやん！！どうしたん、これ？酷いなぁ。まってな、リョウちゃんとこ行ってくる！あっ、あれやったら俺の部屋に運んだって！！｣
｢おう、じゃあ甘えさせてもらうぜ！｣
｢おん！ほなラウールくん！！またあとで！！｣
そう言って康二さんは、またすごい勢いで何処かに走っていった。
｢じゃあ行くか！｣
｢あっ、ま、まって！！｣
｢ん？どうした？｣
｢ぼ、僕もう歩けます…。｣
そう、実は未だに僕は着物の男の肩に担がれたままなのである。
｢あぁ！まあ、甘えとけ甘えとけ！｣
｢えっ、あっえええ！？｣
男は笑って、結局僕を担いだまま、また走り出した。
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さくら(プロフ) - ふさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません！温かいお言葉もありがとうございます！更新再開させていただきます！楽しんで頂けたら幸いです！ (2021年3月17日 1時) (
レス) id: b581847efb (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 更新楽しみにしてます！頑張ってください☆☆☆ (2021年2月16日 21時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2021年2月3日 21時
