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no side
｢なにこれ？｣
翔太はその部屋に入るなり呆れたように言った。目線の先には呑気にお茶を飲む目黒、そしてソファに座る深澤。
｢あっ、翔太くん。さっきなんで来なかったんすかー。｣
｢眠かったから。で、なにこれ？｣
翔太の指さす先にいるのは深澤だった。先程から俯いてボソボソと何かを呟いている。身体中から負のオーラ…といえばまだ可愛らしいレベルの禍々しい何かが溢れだしており何かあった事は誰が見ても明白である。
｢なんか昔の知り合い？に会ったっぽいんですけど…｣
そう言って目黒は翔太に、先程雪の街で起きた事を順を追って話した。
｢へぇ、じゃあ、そいつはふっかのこと覚えてないってわけ？｣
｢ぽいっすよ。ふっかさんが何回も名前呼んでも首傾げてましたし。なんなら俺たちに警戒してふっかさんに小刀投げてきました。｣
｢ふーん。｣
自分から聞いておいて、特に興味もなさそうな返事をしながら、翔太は俯く深澤に近づいた。
｢ふっか。｣
｢…るが…てない…嘘だ。｣
深澤は翔太を認識してないのか、翔太が目の前に立っているというのに、一向に顔を上げずボソボソと何かを呟き続けていた。
｢何とかしてあげてくださいよ。さっきからずっとこの調子なんすよ。｣
｢…めんどくせぇ。｣
そう言いながら翔太は深澤の懐を漁り、狐の仮面を取り出した。
｢はいふっか。｣
翔太はその仮面を慣れた手つきで深澤にとり付けると、耳元で囁くように深澤に何かを言った。すると、深澤はボソボソと呟くことをやめたかと思うと、脱力したかのようにフラっと横に倒れた。
｢止まった。翔太くんすげぇ。｣
｢眠らせただけ。うるさいの嫌いなんだよね。てか、身体強化の異能持ち見に行ったんじゃなかった？｣
｢あーそうでしたね。｣
そう言いながら目黒はソファの上で倒れた深澤にそこら辺に置いてあった毛布をかけてやった。
｢で、見れたの？｣
｢見れたも何も、ふっかさんの知り合いみたいな人がその身体強化の持ち主ですよ。｣
｢知り合いが？｣
｢はい。俺の話なんも聞いてませんでしたし。ふっかさんその人見た瞬間、泣きそうな顔で固まってました。｣
成程、そういう事か。と翔太はニヤリと笑った。目黒はどういうこと？と首を傾げている。
｢面白いことになりそうだ。｣
｢めずらしい。翔太くんが楽しそうなの。｣
｢雑魚相手にするよりはな。｣
そう言って翔太は深澤が横になっているソファの空きスペースに腰を落とした。
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さくら(プロフ) - ふさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません！温かいお言葉もありがとうございます！更新再開させていただきます！楽しんで頂けたら幸いです！ (2021年3月17日 1時) (
レス) id: b581847efb (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 更新楽しみにしてます！頑張ってください☆☆☆ (2021年2月16日 21時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2021年2月3日 21時
