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2人が意識を集中させ、周りを警戒していると、それはあまりにも普通に姿を現した。
｢目黒、どう？｣
｢いや、違います。もっと顔怖かったっす。｣
目の前の小川を挟み現れたのは、目黒と、紫色の衣を着た男だ。
紫色の衣を着た男はヘラりと人あたりの良さそうな笑顔をうかべ
｢ねぇねぇ、ここにさ身体強化を使う異能持ちがいるって聞いたんだけど？｣
しかし、リョウとダテは気づいていた。ヘラりと笑うその男の目の奥が笑っていないこと。
そして、先程感じた"何か"…は、目の前の2人から発されていることに。それは深い、深い、闇のようなものだった。
｢知らないと言ったら？｣
｢えー、ならいいや。別に今日は戦うつもりじゃないし。ここ通してよ。大丈夫、大丈夫。俺ら怪しい者じゃないから。｣
どこまでもヘラりとした笑みを崩さず、軽い口調でその男は喋り続けた。
｢そうは見えないけど？｣
｢え〜、俺こんなに人畜無害な顔してるのに〜？？｣
｢…ネタっすか？｣
目黒は興味無さそうに頭を掻きながら言った。
｢…リョウ、気をつけろ。アイツらも異能持ちだ。｣
｢ちょっと待ってよ〜！だから俺ら怪しい者じゃないのに〜！｣
まるで駄々っ子のようにその男はブーブー言っている。
｢俺らどうも信用ないみたいっすよ？｣
｢えー、じゃあどうしようか？あっ、もしかしてさ…これ付けたらいいかな？｣
そう言って紫色の衣の男は懐に手を入れた。その動きにリョウとダテは構えた手に更に力を入れた。
｢ちょっとちょっと、別に武器なんて出さないよ。てか俺の顔が怪しいんならこれで顔隠したら大丈夫でしょ〜？｣
そう言って懐から出したのは狐の仮面だった。
｢…っ！？｣
｢あーダメっぽいすよ。余計に警戒されちゃいましたよ。｣
｢え〜。｣
｢その仮面っ…！？｣
｢この仮面のこと知ってるの？いや〜俺達も有名になったね。｣
｢どうやらそうみたいっすね。さてさて、どうします？今日は別に戦うつもりはないんでしょ？帰ります？｣
｢そうだねぇ。うーん、仕方ないか。めめ、帰ろ。｣
そう言って2人はあっさりと何もせず後ろを向いた。
｢ちょっ…。｣
｢リョウ、やめとけ。｣
｢…ダテ。｣
紫色の衣を着た男は狐の仮面を着けたまま2人の方を振り向き
｢また来るよ！｣
そう言った時だった。
紫色の衣を着た男目掛けて、銀色に光る小刀がすごい勢いで飛んできた。男はサッとしゃがんで避け、小刀が飛んできた方に目を向けた。
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さくら(プロフ) - ふさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません！温かいお言葉もありがとうございます！更新再開させていただきます！楽しんで頂けたら幸いです！ (2021年3月17日 1時) (
レス) id: b581847efb (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 更新楽しみにしてます！頑張ってください☆☆☆ (2021年2月16日 21時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2021年2月3日 21時
