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泣いてる僕に気づいた康二くんがオロオロしながら自分の手巾を渡してくれた。僕はそれで目元を拭い、話を続けた。
｢僕の住んでいた村には、一族に何かあった時ように作っていた裏道があるんです。僕はそこから逃がされました。｣
いつ何が起きるかわからない、そんな異能持ちの一族だったから、普段は隠してある逃げ道が何個も用意されていた。僕も、両親からなにか起きた時はこれを使うと話は聞いていたが、まさかこんなに早く使う日が来ると思っていなかった。
その後、一族から託された首飾りを身につけ、僕は慎重に秘密の道を進み、何とか村から逃げることが出来た。しかし、その裏道を出て、森をぬけたその時、村の方角から今まで聞いた事のないような爆発音がした。
｢村の方を見たら、火の手が上がってました。僕が逃げたあと、狐の男に僕が逃げたことがバレたのか、もしくは僕の一族が、狐の男に協力するつもりがないと伝えたのか…真相はわかりません。風の噂で僕の一族は皆殺しになったと聞きました。｣
あの日、村の方角から火が上がっている光景は、僕の頭の中にこびりついている。
けれどこれは始まりに過ぎなかった…。
僕はその日から追っ手に追われる日が始まった。
村から僕が逃げたことが敵にバレており、鎧を着た男たちが来る日も来る日も僕を追いかけてきた。ゆっくり休める日なんてなくて…。寒くても、お腹が空いても、転んで傷ついても、僕はひたすら追っ手から逃げた。
とにかく逃げなければ…。一族から僕に託されたこれを守らなくては…。その思いでたった1人、僕は山の中を走りひたすら逃げ続けた。
｢それから数日間逃げ続け、あの崖でダテさんに助けられて今に至ります。｣
｢あぁ、あの日に繋がるってことか。｣
｢はい。これが僕が狐の男や、あの鎧の集団達から逃げていた理由です。｣
再度僕は首飾りを握りしめ、話を終えた。
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さくら(プロフ) - ふさん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ありません！温かいお言葉もありがとうございます！更新再開させていただきます！楽しんで頂けたら幸いです！ (2021年3月17日 1時) (
レス) id: b581847efb (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 更新楽しみにしてます！頑張ってください☆☆☆ (2021年2月16日 21時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2021年2月3日 21時
