Smoke (ページ6)

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第6話ページ6

fk「なんか今日は随分ぼーっとしてるね？」

「あっ、ごめんなさい。電話終わったの？」

気づけば彼はもう電話を終えていた。何度も私に声をかけてくれてたようで、少し心配そうに私を見つめる…。

「電話なんて…？」

fk「迎えに来るって。マジで保護者だよな。」

「行っちゃうの？」

fk「まさか。明日の仕事の時間が変わったって連絡とその前に迎えに来るってだけだよ。アイツもスケジュール一緒なんだけど心配なんだって。俺時間ギリギリタイプだから。あいつも朝弱いくせになー。」

あぁ、本当に嬉しそう。保護者とかなんだ言っといて、本当は来てくれるの嬉しいんでしょ？知ってるよ。彼のことを話すあなたの顔、やっぱり幸せそう。

あなたは話が一段落すると、いつもと同じ紫色のパッケージの煙草の箱を新しく開け、1本取りだし火をつけた。

「ねぇ、私にも1本ちょうだい」

fk「自分の持ってるんじゃないの？」

「知ってる？タバコは高いのよ」

fk「言うねー。聞いたことあるセリフだわ」

彼は苦笑いしながら私に煙草の箱を渡した。

fk「これあげるよ、まだ1本しか吸ってないし」

「あれ、高いんじゃなかったの？」

fk「違うの貰ったんだよ、たまにはこういうのも吸ってみなよって」

ポケットから出された黄色いパッケージの煙草。
聞かなくてもわかる。あなたの隣で、何度もその銘柄のタバコを吸ってる誰かさんを見かけていたから。

理由もわかる、随分重たい愛情ね…。

今日私に会うのを察しているのかいないのか…。
自分の存在をこんなときまで私に見せつけて…嫌な奴。
電話ももしかして…確信犯？さすがにそれは考えすぎか…。

「あなたは紫の方が似合うのに」

fk「俺もそう思う。けど、なんだろうこの色は安心する。」

…そんな顔私に見せないでよ。
今だけは…私を見てよ。

嫌だな、私ってこんなに重たい女だったっけ？
ただ寂しさを紛らわす関係のくせに…欲張りになったのはあなたのせい。