130 nb side ページ33
後夜祭の花火、今年は初めて涼太と2人で見ることになった。今日1日ソワソワして、なんかもう色々手につかなかった。
｢翔太。｣
｢よっ…。｣
教室まで迎えに来てくれた涼太の顔を、照れてしまって見ることがいつも以上にできなかった。学校で涼太と2人きりになるとか、そうそう無いし不思議な感覚。
｢人いないね。｣
一緒に見るのに選んだ場所は校庭の端っこに位置するプール。人いるかな？って思ったけどびっくりするくらいいなかった。なんなら2人きり。
教室からだったり、校庭で見るやつの方が多い。阿部と佐久間も校庭で見るって言ってた。
｢水まだ入ってるじゃん。｣
｢水泳部が使ってるからね。｣
｢足つけようぜ。｣
そう言って俺はプールサイドに座って両足をプールに入れた。水はそんなに冷たくなくて、今の季節はこれくらいでちょうどいい。
｢気持ちいい？｣
｢うん。…えい。｣
俺に話しかけながら隣に座ろうとした涼太に、片手で水をかけてみた。
｢うわっ！｣
｢アハハ。｣
思ったより驚いたリアクションをする涼太に俺が笑うと、ゆっくり隣に座った涼太がニヤリと笑い、
｢お返し。｣
｢うわっ！！｣
今度は涼太が思いっきり俺に水をかけてきた。
｢やばっ！｣
｢ふふふ。｣
その後2人とも少しはしゃいで、手でかけてたはずなのに立ち上がって足とかで掛け合って、気づいたら制服はびしょびしょになっていた。
｢やばい、はしゃぎすぎた。｣
そう言いながら、再度プールサイドに座った。
｢大丈夫、翔太？｣
｢うん…！？｣
涼太に言われて返事をしようと涼太の方を向くと、思った以上に距離が近かった。
水に濡れた髪や、そのせいで身体にはりついたワイシャツから透ける素肌が色っぽくて…
｢だ、大丈…ぶわぁぁぁ！！｣
｢えっ、ちょっ、翔太！？｣
慌てて距離を取ろうと立ち上がろうとした瞬間、勢いがあまりすぎたのか、思いっきりプールの方にバランスを崩してしまった。
俺を助けようと腕を掴んでくれた涼太だったけど、勢いに耐えきれず2人ともそのままプールに落ちてしまった。
｢うわ、マジか…｣
｢ごめん翔太、助けきれなかった。｣
あぁもう本当に、涼太は優しすぎるんだよ。
｢涼太は助けようとしてくれたんじゃん、謝んなよ。俺こそ巻き添えにしてごめん。｣
｢びしょ濡れだね。｣
｢ここまで来ると逆に気持ちいいわ。｣
そう言って2人で顔を見合わせて笑った。
その瞬間グラウンドの方から音がして辺りが明るい光に包まれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2433人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくら(プロフ) - knoeingさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて光栄です！！これからも亀更新ではございますが楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2022年7月19日 0時) (
レス) id: e33786f07c (このIDを非表示/違反報告)
knoeing(プロフ) - 更新ありがとうございます！最高 (2022年7月16日 4時) (レス) @page31 id: 8db7271f25 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - サリーさん» はじめまして、コメントありがとうございます！返信が遅くなり申し訳ないです。一気に読んでくださったんですね！お褒めの言葉をこんなにも頂けて嬉しくて私が震えております。これからも亀更新ではございますが、楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2022年5月25日 23時) (レス) id: 0d68adfc7b (このIDを非表示/違反報告)
サリー(プロフ) - はじめまして。アップルティーいっきに拝読させて頂きました。初めて長編のmmkjに触れたのですが、他cpとの絡み、素敵なkj君のお友達まで素晴らしい世界観に震えております‥！他作品も読ませて頂きますね！続き、楽しみにお待ちしております。 (2022年5月21日 15時) (レス) @page26 id: d5b5a4f349 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - イサさん» コメントありがとうございます、大変返信が遅くなり申し訳ありません！温かいお言葉ありがとうございます！中々の亀更新ですが、これからのそれぞれの組み合わせの展開も楽しんで頂けるよう頑張ります！薔薇の方も必ず更新しますのでよろしくお願いします！ (2022年1月16日 0時) (レス) id: 3b24a3fa1b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら
| 作成日時：2021年10月22日 18時
