第10話 ページ10
⚠差別的な描写があります。苦手な方はUターンしてください。
「この恥さらしが！このことが世間に知れ渡ってみろ！お前は私の顔に泥を塗る気か！」
「…。」
父親の怒鳴り声が部屋に響き渡った。俺は何も言えず、ただただその場に立ち尽くすことしか出来なかった。そんな俺に、父親は容赦なく批判をあびせつづけた。
「色恋沙汰にうつつを抜かすなど呆れてものも言えん。しかも男同士でなど…。吐き気がする！」
「お前を普通じゃない人間に育てた覚えはない！」
「そもそも自覚が足りん！お前はいずれ会社を継ぎ、社長になる人間だ。それなのに勉強は身につかず挙句の果てには世間からはみ出すようなことをしやがって！とんだ恥さらしだ！」
冷たく浴びせられる父親の言葉のひとつひとつが、俺の身体と心をナイフのように突き刺す。何か言い返そうと思っても、俺の唇は震え、言葉を出すことが出来なかった…。
「…今ならまだ許してやる。この男と、今後一切関わるな。」
「…っ！？そ、そんな」
「口答えする気か？」
鋭く俺を睨む父親の目に俺はまた何も言えなくなってしまった。
父親は机に並べられていた写真を1枚灰皿に乱暴に投げ捨て、その上から吸っていた煙草を押付けた。写真に写る笑顔の涼太の顔が黒く焦げていった…。
「いいか…。2度目はない。肝に銘じておけ。話は終わりだ。いいか、同じ過ちを2度もするな。わかったら出ていけ。」
父親は一方的にそう捲し立て、俺に反論の余地を与えないまま部屋から追い出した。
追い出された俺はしばらく放心状態で部屋の外に立ち尽くしていた。
「…しょうちゃん…」
外で様子を伺っていたであろう、母親がおずおずと話しかけてきて俺の頭を撫でようとした。
「触るな。」
「しょうちゃん…」
「…っ。」
俺は母親の手を払い除け、2階にある自室へと走った。
なんで…なんで。どうして…。
なぜ男同士だというだけで…こんなにも酷く言われなくてはいけないのだ。
そもそも、今まで俺に対して跡継ぎの道具としてしか接してこなかったくせに…、興味も示さなかったくせに…。幼い頃から一緒にいた涼太のこと、何も知らないくせに…。
自室に着いた俺はドアの前で崩れ落ちた。
父親の前で言えなかった言葉が悔し涙となって溢れ出た。俺は何も言えなかった。何も出来なかった…。
このまま…俺は涼太と引き離されてしまうのか…。そんなこと…耐えられない。
「…涼太…。」
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youjin(プロフ) - みかぷさん» コメントありがとうございます！あまりにも見切り発車になってしまった為、なんとかハッピーエンドにすることができて私も安心しております(泣)つたない私の作品を最初から見てくださり好きだと言ってくださってありがとうございます！ (2020年4月2日 20時) (
レス) id: 9f973415f0 (このIDを非表示/違反報告)
みかぷ(プロフ) - コメント失礼します！更新最初からずーーっと見ててものすごく好きです！！完結おめでとうございます！！最後の最後でお父様にバレずにくっついてほんとにホッとしました笑お疲れ様でした!!! (2020年4月2日 19時) (レス) id: 7be4d62213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2020年3月11日 19時
