第9話 ページ9
父親に呼び出されると決まって聞かれるのは勉強のこと。言われることは将来のこと。だから憂鬱で仕方ない。
「なんでしょうか？」
さっさと終わらせたい。そう思いながら呼び出された部屋に向かうと、ピリッとした空気が辺りを支配していることに気がつく。
父親と話す時に、穏やかな空気が流れることは無いのだが、部屋に入った瞬間からこんなに背筋が凍りつきそうになったのは初めてだ。
父親は煙草をふかしながらドアから真正面の位置に座っており、機嫌が悪いのは明白だった。そして、父親の机の前には、何やら写真が何枚も並んでいた。
それが目に入った途端、俺は崩れ落ちそうになった。
「…これは？」
「聞きたいのはこちらの方だ。これはなんだ？この男は誰だ？」
父親の机に並べられた何枚もの写真。2人で並んで歩いている様子だったり、笑い合っているものもあれば、木の下で肩を寄せ合い眠っている写真もある…。目線はカメラを向いておらず、明らかに盗撮されたその写真に写っているのは、紛れもなく俺と涼太だった。
「と、友達です。……ただの…友達です。」
「友達…か。」
「…はい。」
唇が震え、絞り出すような声で俺はそう言った。
怖くて顔を上げることができず、その空気に飲み込まれ息苦しい…。早くここから立ち去りたかった。
「そうか、友達か…。」
「…。」
「キスをするほど仲のいい友達がいるんだな」
そう言って父親はポケットから1枚の写真を取り出し、机の上に投げた。
「……っっ！？」
今日のものだろうか…。それは俺と彼の唇が重なった瞬間が写ったものだった。俺の身体は震えだし背中に汗が滲んだ。声も出ない。目の前が真っ黒になった。
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youjin(プロフ) - みかぷさん» コメントありがとうございます！あまりにも見切り発車になってしまった為、なんとかハッピーエンドにすることができて私も安心しております(泣)つたない私の作品を最初から見てくださり好きだと言ってくださってありがとうございます！ (2020年4月2日 20時) (
レス) id: 9f973415f0 (このIDを非表示/違反報告)
みかぷ(プロフ) - コメント失礼します！更新最初からずーーっと見ててものすごく好きです！！完結おめでとうございます！！最後の最後でお父様にバレずにくっついてほんとにホッとしました笑お疲れ様でした!!! (2020年4月2日 19時) (レス) id: 7be4d62213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2020年3月11日 19時
