第8話 ページ8
学校の校庭には大きな桜の木が何本も植えられている。
その中でも人目に付きにくい場所にある木の下に座って彼と過ごす時間が大好きだ。今は桜の花は散っていて、青々とした葉が風に揺られて影も波打つ。俺たちのお気に入りの場所。
dt「…。」
nb「涼太？どうした？」
dt「いや…気のせいだと思うんだけど…。」
ふと、彼が周りを見渡しそう言った。
dt「なんか見られてた気がした…。」
nb「え〜、涼太ストーカーにでもあってんの？」
dt「それはないと思うけど。でも最近なんか視線は感じる。」
nb「えっ、いつ？」
dt「授業中。斜め後ろの誰かさんから。」
……あっやばい。
nb「気づいてたのかよ…。」
dt「誰でも気づくよ、俺の事見すぎ。」
授業中、暇を持て余したときに、斜め前にいる彼のことを見ていたのがバレていたらしい。そんなに長い時間見てなかったと思うんだけど。
dt「まあ見られて悪い気分はしてないよ。可愛い恋人からの視線を独り占めできてるって考えたら。」
nb「…っ、そうやってすぐ恥ずかしいこと言うのやめろよ。」
dt「照れてる？」
nb「ちがっ…、恥ずかしいだけ！」
dt「ふふっ、それを照れてるって言うんだよ。」
そう言って俺の肩を抱き寄せ頭を撫でた。
俺の顔がみるみるうちに熱を帯び、耳まで熱くなっていく。恥ずかしくて思わず顔をうつむける。
dt「翔太？」
nb「てか、涼太はなんでそんな余裕なの？」
dt「余裕…か。…翔太。」
そう言うと、彼は俯いていた俺の顔を自分の方に向かせ、俺の手を取り自分の心臓付近へと誘導した。服の上からでも彼の鼓動が早いことがはっきりと分かる。俺と同じくらいか、それ以上に…。
dt「余裕に見せてるだけ。そうでもしないと翔太はより一層照れるでしょ？」
nb「……うるさい。」
dt「図星だ。」
nb「ちが、…んっ。」
俺が少しムキになって言い返そうとすると唇に柔らかい感触…。
nb「ちょっお前、ここ学校！！」
dt「可愛いね翔太。」
nb「答えになってない…。」
dt「嫌だった？」
nb「……。」
dt「ふふっ、良かった。」
nb「何も言ってないじゃん！てかやっぱり余裕じゃねえか！！」
その日の車の中で1人悶える俺に、何かを察したような照のミラー越しの視線が痛かった。でも何となく、照の目が時折心配そうな色をしていた…。
そしてその日の夜の事だった。
「翔太…こっちに来なさい。」
めずらしく家にいた父親が俺を部屋に呼び出した。
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youjin(プロフ) - みかぷさん» コメントありがとうございます！あまりにも見切り発車になってしまった為、なんとかハッピーエンドにすることができて私も安心しております(泣)つたない私の作品を最初から見てくださり好きだと言ってくださってありがとうございます！ (2020年4月2日 20時) (
レス) id: 9f973415f0 (このIDを非表示/違反報告)
みかぷ(プロフ) - コメント失礼します！更新最初からずーーっと見ててものすごく好きです！！完結おめでとうございます！！最後の最後でお父様にバレずにくっついてほんとにホッとしました笑お疲れ様でした!!! (2020年4月2日 19時) (レス) id: 7be4d62213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2020年3月11日 19時
