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アルバイトの休憩時間、俺は店の外の休憩スペースにあるベンチに腰掛けていた。
fk「はい。」
dt「ふっか店長…。」
ふと目の前に缶コーヒーが差し出された。ふっか店長だ。彼は俺がコーヒーを受け取ると隣に座り、自分の分のコーヒーを飲んで一息ついた。
fk「舘さんも悩むことがあるんだねー。」
dt「悩んでる…ってわかるんですか？」
fk「なんとなく…だけどね。いつもよりお顔が凛々しいし(笑)それにふと誰かを思って…って顔してる。」
dt「誰かを思って…ですか。」
fk「そう。自分以外の誰かを思ってる顔。まっ、これは俺の推測ってだけだから間違ってたらごめんって話だけどね。」
そう言って笑う彼の横顔はどこか淡く儚げだった。
dt「店長も、誰かを思って悩むんですか？」
fk「さぁ…それはどうだろう。」
dt「シークレットですか？」
fk「大人の秘密ってやつだよ。」
そう言ってまた笑った。
そんな彼に俺は自分のことを少しだけ話してみようと思った。
dt「店長は恋人が別の誰かと婚約させられそうになったらどうしますか？」
彼は少し驚いたような顔をして俺を見た。
fk「なんかドラマみたいな話だね。」
dt「例えばの話…ですよ。」
fk「はは、例えばか。そうだな、俺なら…。」
彼は缶コーヒーをくるくると回しながら少し考えて
fk「奪いたい…かな。」
dt「奪いたい…ですか？」
fk「そ、奪いたい。他のやつに取られるくらいならこの手で奪い去って逃げ出したい。」
他のやつに取られるくらいなら…か。
dt「なんだか意外です。ふっか店長平和主義っぽいから。」
fk「俺は平和主義だよ。けど大事なもの守るためなら、たまには平和主義ではいられない時もあるんだよ。」
そう言うと彼は残ったコーヒーを一気に口に流し込んだ。
fk「…でも、結局俺には出来なかったんだけどね。」
dt「出来なかった？」
fk「あっ、ごめんごめん、独り言。」
そう言って笑う彼の顔は、俺の知ってる誰かに似ている気がした…。
fk「まあ、君より少し早く生まれた先輩からの助言としては、本気で好きなやつなら後悔しないような選択をしろよ…。」
dt「店長…。」
fk「なんか柄にもなく語っちゃったなー。じゃあ俺先に戻るわ、ゆっくり戻っておいでー！」
そう言って店長は店へと戻って行った。俺はコーヒーを一気に流し込んでふぅっと息を吐いた。
後悔しないように…か。
dt「やってやるよ…。」
誰かに奪われる前に、俺が君をそこから連れ出してみせる。
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youjin(プロフ) - みかぷさん» コメントありがとうございます！あまりにも見切り発車になってしまった為、なんとかハッピーエンドにすることができて私も安心しております(泣)つたない私の作品を最初から見てくださり好きだと言ってくださってありがとうございます！ (2020年4月2日 20時) (
レス) id: 9f973415f0 (このIDを非表示/違反報告)
みかぷ(プロフ) - コメント失礼します！更新最初からずーーっと見ててものすごく好きです！！完結おめでとうございます！！最後の最後でお父様にバレずにくっついてほんとにホッとしました笑お疲れ様でした!!! (2020年4月2日 19時) (レス) id: 7be4d62213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2020年3月11日 19時
