第26話 ページ26
そうか…色々とありすぎて…忘れてしまっていた。今日は俺の…18回目の誕生日…。
nb「覚えてて…くれたんだ。」
dt「翔太、忘れてたでしょ。この前、全然気づいてなさそうだった…。あの時は婚約の話聞かされて混乱してたし、無理もないかもしれないね…。」
そう言えばあの日、彼は何か言いかけていたっけ…。それに、さっき照も言ってた、俺の特別な日だって…照も、覚えてくれているんだ。
dt「これ、プレゼント。」
そう言って彼は小さな袋を渡してくれた。中に入っていたのはシンプルなデザインのシルバーのリングピアスだった。
nb「えっ、やばっ、かっこいい。」
dt「翔太に似合うと思って…。」
nb「すげー嬉しい。ありがとう。」
ピアスを見てはしゃぐ俺に、彼はコホンと、わざとらしい咳をひとつして、
dt「あともうひとつある。むしろ、こっちが本題。」
nb「えっ？」
そう言うと彼は急に俺の前に跪いた。
月夜に照らされた彼の顔はとても真剣で…さっきまでとは違う空気が周りを包み込んだ。
dt「俺と…生きてくれませんか？」
nb「…！？」
そう言って差し出された彼の手には小さな箱。
中に入っていたのは月に照らされ、金色に光る指輪だった。
dt「この前、言えなかったこと、言わせてほしい。他のやつと婚約なんてするなよ…。俺のそばにいてほしい。」
nb「…。」
俺の目から、もう何度目かの涙がこぼれた。
涼太の前で俺は泣いてばっかりだ…。
でもこの涙はここ数日で流していた涙とは全然違う涙だった…。
nb「ばかっ、決まってんだろ。」
dt「翔太…おっと。」
俺は彼の胸に勢いよく飛び込んだ。
nb「俺、涼太が好き。だからお前じゃないと嫌だ。」
dt「翔太…本当に？」
当たり前じゃん…と、俺は首を大きく縦に降った。
彼は俺の右手をとり、薬指に指輪をはめた。
nb「左じゃないの？」
dt「婚約だからね。俺まだ18じゃないし…。あとごめんこれそんな高くない。」
nb「ぶはっ、雰囲気ぶち壊しじゃん。」
正直すぎる彼につい笑ってしまった。
彼はそんな俺の左手の薬指を優しく手に取り口付けた。
dt「左手にはめる時まで…まってて。
その時はちゃんとした指輪用意するよ。」
nb「ふはっ、わかった。」
値段なんて関係ない。
お前がくれたそれだけでかけがえないものになるんだから…。
大きな箱より、小さな箱に幸せがある…なんて、ずっと前に誰かから聞いたけど…本当だ…。
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youjin(プロフ) - みかぷさん» コメントありがとうございます！あまりにも見切り発車になってしまった為、なんとかハッピーエンドにすることができて私も安心しております(泣)つたない私の作品を最初から見てくださり好きだと言ってくださってありがとうございます！ (2020年4月2日 20時) (
レス) id: 9f973415f0 (このIDを非表示/違反報告)
みかぷ(プロフ) - コメント失礼します！更新最初からずーーっと見ててものすごく好きです！！完結おめでとうございます！！最後の最後でお父様にバレずにくっついてほんとにホッとしました笑お疲れ様でした!!! (2020年4月2日 19時) (レス) id: 7be4d62213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2020年3月11日 19時
