第23話 ページ23
それから1週間はあっという間で…来てほしくない、時間が経ってほしくないと考えれば考えるほど無常にもすぎていった。
俺は何も出来ずただ時間が過ぎるのを、何も抗えず日々を過ごすことしか出来なかった。
何回か母親と、照や照以外の付き人と外へ出かけてスーツを作ったり、小物を買ったりしていたが、結局逃げることは叶わなかった。
あの日以来、涼太には会えていない。
元々照が夜の番をしてくれている時だけしか会えない関係だ。次照が担当してくれるのは婚約発表の後の日だ。
その時はもう俺は婚約していて…。
「…涼太。」
俺はやっぱり臆病で…結局何も出来ない。
そして、明日には婚約の日が来てしまうという日。
今日に限って照は休みなのか見ていない。
唯一俺が心を許してる付き人は彼だけなので朝からずっと憂鬱な気分のままで、他の付き人は無駄話は一切しないしで余計に気が滅入りそうだった。
その日の夜、父親に呼び出され明日のパーティーことを聞かされた。
まあくれぐれも失礼のないように、俺の顔に泥を塗るなとかそんな話ばっかりで、詳しいスケジュールは付き人に渡しているから聞けと言われ自室へと戻らされた。
自室へと戻る途中
「しょうちゃん、いよいよ明日ね。」
「…そうだね。」
「しょうちゃん、あのね…。」
「ごめん、ママ。今は1人にしてほしい。」
「ま、まあしょうちゃん具合悪いの？」
「違う疲れてるだけだって。ごめん部屋戻る。」
何かを言いかけた母親を振り払い俺は自室へ戻った。
ドアを閉め、俺はその場に座り込んだ。
明日になったら…俺は婚約して…正式に跡取りとして発表される。
今みたいに涼太と会えなくなる。
あのとき…涼太が帰るとき…言えばよかった。
「連れ出して…連れ出してよ…涼太。」
散々泣いたはずなのに、涙はいまだに枯れておらず俺の目からこぼれ落ちる。
「…涼太。愛してるよ。」
そして疲れ果てた俺はその場で眠りについた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 375人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
youjin(プロフ) - みかぷさん» コメントありがとうございます！あまりにも見切り発車になってしまった為、なんとかハッピーエンドにすることができて私も安心しております(泣)つたない私の作品を最初から見てくださり好きだと言ってくださってありがとうございます！ (2020年4月2日 20時) (
レス) id: 9f973415f0 (このIDを非表示/違反報告)
みかぷ(プロフ) - コメント失礼します！更新最初からずーーっと見ててものすごく好きです！！完結おめでとうございます！！最後の最後でお父様にバレずにくっついてほんとにホッとしました笑お疲れ様でした!!! (2020年4月2日 19時) (レス) id: 7be4d62213 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら | 作成日時：2020年3月11日 19時
