YOU IN (ページ24)

今日:136 hit、昨日:63 hit、合計:71,248 hit

葛藤ページ24

___京介side.

柄にもなく、練習室を飛び出してきてしまった

走って、走って、気づいたら外まで来て、

近くの公園のベンチに座っていた

みんなは悪くないのに、

でも、どうしても腹が立ってしまった

確かに、Aには会いたくて会いたくてたまらなかった

けど、今更どんな顔して会えばいい？？？

Aに会ったところで、

『なんで勝手に居なくなったりしたの』

『俺らのこと嫌いになったの？？？』

『信じてたのに』

こんな言葉しか出てこないことが分かってるから、

『…情けな、』

「京ちゃん」

ふと顔を上げると、

『…威尊』

威「どこまで居なくなっとんねん、さすがわんこは逃げ足早いわ〜、笑」

『…っさい、犬じゃねーし笑』

さりげなく落ち着かせてくれながら、はいこれと水をくれる威尊。威尊みたいに、広い心があれば、俺も…

威「京ちゃん、見て、あの雲綺麗やな〜」

…そういえば、プデュの時、俺が思うように歌えなくて行き詰まった時、こうやってAと大夢と3人でベンチに座って話したこともあったっけ、

『Aの声、本当に良いよね、羨ましい』

A『なにそれ、笑ねえ、ほら京介見て、あの雲綺麗だね』

『Aこそ、なにそれ笑』

A『大夢、ここはさ〜…』

て、俺から目逸らすAを見て、なんだか胸がざわつく日もあったような、

『…威尊、ごめん、みんな…』

威「京ちゃんはさ、Aに会いたいん？」

あまりにもド直球な質問に、つい俺が目を逸らしてしまう

『会いたいよ、会いたい。もちろんみんなと同じ気持ち。でも、今更Aに会ってもどんな言葉をかけたらいいか分からない、どうやって接したらいいか分からない、』

『だから今正直頭がぐちゃぐちゃ。真正面に今のAと向き合って会う決心がつかない、情けなくてごめん、』

俺のぐちゃぐちゃな言葉を黙って聞いてくれる威尊

威「無理しなくても、ええんちゃう？でも、挨拶は必ずしないといけないと思うからさ、無視だけは辞めてあげてよ。
合わせる顔がないっていう気持ちは、きっとAの方がはるかに大きいと思うからさ、」

全て威尊の言う通りだ、

分かってはいる、わかってはいるんだけど

頭と心からこの葛藤が無くならないんだ、

それほど、Aのことが大切だから、

とことん不器用な俺でごめん、