寝 起 き が 可 愛 す ぎ る【短編集】

しらぶ けんじろう ページ3

手に温もりを感じ起きれば、手には彼氏である賢二郎の手が重なっていた。



きゅ、と一瞬握られ、「かわいい、、」と思わず口に出す。

その声で起きてしまったのか
「A…？」とうっすら目を開ける。

「そうだよ、おはよ」と言えば
「はよ」と目をこすって起きる彼。

握られていた手が自然と離れ少し寂しくなる。
握っていたのは無意識なのだろうか。


「起こしちゃってごめんね」

「大丈夫」


といってマットに顔を埋めて、少し背中を丸める。
そんな彼の髪を撫でるように触れば
いつもはサラサラな髪の毛も、今はぴょんっと寝癖がついていることに気付く。


「寝癖ついてるよ」


と言い、その跳ねてる髪を触れば。


「うるさい。」


と顔を赤くする。
普段の彼からは見ることの出来ない一面


まだ少し寝ぼけているのか、
私の指で遊んでいる。

その目はとろんとしていてとても幼く見えてしまう。
すると、ちらと私の方を見て
「手、ちいさいな」なんて言って私の手を触る手は大きくて、とても安心できる。


「寒い」


そう言えば、布団をしっかりかぶりただでさえ近い距離を詰めてくる。
あっという間に私は彼の腕のなか。
ダイレクトに感じる柔軟剤の香り。
それはとても安心できるもので少し眠気を誘う。



「手も小さいけど、お前も小さいな。」


と言ってふふっと笑う。
カーテンの隙間から入る朝日が彼を照らしていてとても綺麗だった。


ぎゅう、とまた抱き締めれば「んんぅ…」といい
私首元に顔をぐりぐり押し付ける。


「好き」


と言う彼の顔は見えないけど
耳が赤いのが見えたから、照れてるのかなって。

クールな人だからあまり言われたことがなくて嬉しくなる。ありがとう、そう言って笑うがとても照れる。


「私もだよ」


なんて言えば、ピク、と少し動く。
少ししてさっきより少し強い力で抱きしめられる。


離れたかと思えばほんのり赤く染った顔。
熱い目はそらすことができなくて、
自然と見つめ合う形になる。






 



「ねぇ、すき」





 
寝起きは甘えんぼうだったり。


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pokari_pokari_さん、リクエストありがとうございました◎

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