児童養護施設のお兄さん。【桃】

会って8日目 ページ8

『おにいちゃん！Aお友達いっぱいできた！』

「そっか、良かったじゃん」


お兄ちゃんはそう言って頭を撫でてくれた。

A、この手が大好きなの。


「じゃ、俺勉強してくるから、良い子にしててね。」

『んぅ…』


ちょっと…というか、すごい寂しいけど、お兄ちゃんの迷惑にはなりたくない。

お兄ちゃんが勉強終わるまで、お父さんのとこいようかな。


･


「で、これがK。か行。これがS。さ行だよ。」

『さぎょう…？これ、お兄ちゃん！えす、と、えー！さとみお兄ちゃん！』

「そうそう！Aは賢いなー」


なんか、ろーまじ…？っていうのやってる。


「次がこれ、T。た行。さとみの と だよ。」

『わああ！てぃーとおーだ！』

「そう！それでこれが…お、さとみ降りてきた。」

『お兄ちゃん！』


お父さんの膝から降りて階段へ走る。


「さとみ、大丈夫か？」

「うん、判定Aだよ。」

「良かった。」


Aには分かんないけど、お父さんはホッとしてた。


『お兄ちゃん！お風呂はいろ！』

「そうだね」


Aを抱き上げてまたお兄ちゃんの部屋へ戻っていった。

いつもより目の前が高くなった。

お兄ちゃんはいつもこんな景色見てるんだなあ。すごい。


･


･


･


ふたりでベッドの中に入った。

お兄ちゃんの腕をAに乗せた。

お兄ちゃんの温かさが伝わってきて気持ちいい。


「A、暑くないの？」

『あつくない、このままがいい。』

「そっか」


お兄ちゃんは少し笑った後、Aをもっと奥にいれてくれた。





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