お世話係【我牙丸吟】

初めての飯 ページ9

結構、いや大分腹が減った。

私は「S0510」だ。

覚えやすくて楽だ。

急ぎ足で廊下を進み、食堂へと向かっていった

我牙丸君に教えたから、私もすぐに着いた

『あれっ』

まだ人がいた。その子は、いやその子達は、話をしながらご飯を食べていた

一人は、紫の髪の…ちょんまげ？

もう一人は、白髪の緑の目の子だった。


さっき覚えてきてよかった。特徴は掴めたから、誰かは分かる

紫君は御影玲王くん。なんか御影財閥？のオンゾーシってやつらしい

要するに金持ち、そこで覚えた()

もう一人は、凪誠士郎くん。面倒くさがりだけど、本物の天才らしい

天才ってなんかカッコイイよね


こんな説明をしているけれど、内心めちゃくちゃ戸惑っている


『えっ…気まず』

御影くんはとても二人でいるのが楽しそうだったのだ

『入れねぇ…キツ…』

そう独り言を言っていた

それは、私が思っていたよりも大きい独り言だったらしい

びっくりしたように、凪くんがこちらを振り向いてきた


「ねぇ、玲王、あの子誰？」

「え、分かんね、誰だろね」

二人がこちらを見ながら会話をしている

《バレたｯｯｯｯｯｯｯｯ？！》

凪くんはゆっくりとこちらに歩いてきた

凪「ねぇ、君、誰？」

『ﾝｷﾞｬ…』

『あ…あゃ…彩姫です…吉良彩姫です…』


凪「吉良？…妹かな…」

《君のような勘のいいガキは嫌いだよ(泣)》

凪「君もしかして、吉良涼介の妹？」

『ｱ…ﾊｲ…』

凪「へー…そっか。似てるね、美人』

『ﾎﾜｯｯｯｯ………？！』

こいつ…天然たらしや…こんなの資料に書いてなかった！！

御影「珍しいな、凪が初対面の人に話しかけるって」
　 「まあ確かに美人だからな」

こいつら駄目だわ、私を殺しに来てる
　
『そういうことは好きな人に言うべきですﾖ……』

凪「へー…そーなんだ、」

　「んで、何しに来たの？」

『ｴｯﾄ…ｿﾉ…ご飯を食べに…』

凪「なるほどね、いいよ、」

『うぇ…？ﾅﾆｶﾞﾃﾞｽｶ…?』

御影「あー…なるほどな(笑)」

ちょ？！何を察したの？！教えて私にも!!!んねぇ！！

凪「隣、座って」

『まぢかよ』

咄嗟に出たこの言葉。え、どないしよ

凪「え、だめ？」

『イイデスヨ』

凪「やった、よかったね玲王」

御影「なんで俺に言うんだよ(笑)」
　 「まぁ、よかったな」

凪「んじゃあ、取りに行ってきて、俺のも」

『あ、はい』

吉良の妹彩姫、

初対面で天才にパシられました

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