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misako side
初めて会った日に
いきなり距離を詰められて
耳元でどこか甘いAきの声で囁かれてから
会って3回目に名前を聞かれた
同い年の彼は
気がついたらいつの間にか
私の懐にするりと入り込んでいて
友人と呼べるまでになっていた
名前を教えた日に
みさこって呼んでいいかと聞かれて
いいよと答えたら
うれしそうに笑ってた
なにニヤニヤしてんだと
マスターの紘人さんに
トレンチで叩かれて
アンバーに
Aやばいねと爆笑されていた
それを見て
こらえきれずに笑った私を見て
なんで笑うんだよと
少し拗ねた彼を
常連さんたちが笑ってた
私がお店に馴染むまで
あっという間で
撮影の合間にふらりと寄るほどお気に入りになった
いつものようにドアを開ければ
宇野ちゃんおはよう
Aはいつものとこにいる
と紘人さんに
声を掛けられるようになっていた
紘人さんいつものと
オーダーを頼めば
はいよーと間延びした答えが返ってくる
他のお客さんにはきっちりしてるのに
私にはAと同じように接してくれるから
なんだか幼馴染の間柄に混ぜてもらったようで
私までフランクになってしまう
1ヶ月ぶりの休日の今日は朝から店を訪れれば
当たり前のように特等席に座るA
珍しくスケッチブックを開いて
窓の外とにらめっこしている姿に
どうやら今日は仕事はないようだ
私の視線に気がついたのか
大きく手を振る姿に
自然と口元が緩む
，
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作者名：天 | 作成日時：2020年5月30日 17時
