Doctors-3JSB-GENE【５】

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大樹side







亜嵐君に休憩室から追い出されてしまって



後ろ髪を引かれる思いで螺旋階段を伝い



歓声が飛び交うフロアに降りた。




カウンターでノンアルコールを頼んで



音に身を任せながら


統一性のないダンスを繰り広げる人達を横目に



顔見知りに挨拶だけ済ませる。






つもりが、ついつい話が弾んでしまって



腕時計で時間を確認すれば


亜嵐君と別れてから１時間が過ぎようとしていた。





カウンターでグラスを返却して


螺旋階段を上れば


さっきよりも明らかに状態が悪い亜嵐君の姿が。





大樹「亜嵐くん！大丈夫ですか？お腹触りますよ」



亜嵐「ハァハァハァ.....」




息遣いは荒く、体も熱を帯びている。




大樹「少しだけお腹押しますよ」




さっきまで痛みを訴えていたみぞおちの辺りを軽く


押さえても、特別痛がる様子はない。




痛みの場所が移動した....？




大樹「ちょっと下の方も触りますよ」



グーッと押し込うように触ると



亜嵐「痛てっ！」



大樹「わ、ごめんなさい」




あまりにも低い声が聞こえて


ビビッて手を離すと




亜嵐「あああ痛ｯてぇーー」




今度は叫びに近いような声で痛がって


体を丸めこんでしまった。




大樹「亜嵐くん携帯借ります！！」




思った以上の緊急事態で


亜嵐君の親指を拝借して指紋認証を解除して




一番最新のトーク履歴が残っている


‘直兄’に電話を掛けた。

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