Doctors-3JSB-GENE

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剛典side







麻酔なしでは、今回の治療は耐えられないと思う。



亜嵐の為にも、納得させるしかない。




直人「亜嵐、これ頑張ったら痛いことはもうないから」


剛典「注射する方が痛くないよ」


亜嵐「やだ。麻酔するなら何もしなくていい」




剛典「亜嵐聞いて。亜嵐の虫歯はまだ弱いから今なら治療してあげられるけど、放って置いたら俺じゃ出来なくなるよ」



亜嵐「そんなに脅さんといて..」



直人「亜嵐が虫歯ごときに負けるのか....」






亜嵐「......がんばる」



誰に似てか 負ける って言う単語を出すと


聞き取れない程の小さな声で


一言だけ呟いた亜嵐。




直人「よしっ偉いぞ亜嵐」



直兄は髪の毛などは関係なく


両手で亜嵐の頭をガシガシと撫でた。



亜嵐「ふふ....もうやめてよ..」



恥ずかしそうに頬を赤らめて俯いた亜嵐。


こんな可愛い弟に注射を打つなんて気が引ける。



亜嵐と直兄が異様にくっ付いているなぁと思っていると



亜嵐「剛兄、痛くしないでね」



と、ここにきて一番の笑顔を見せてくれた。




直人「だそうですよ。剛典頑張って」



きっと仕組んだんのは


まるで他人事のように振る舞う直兄。



剛典「分かったよ。俺も頑張るから、亜嵐も頑張ろう」




身体の力が抜けるまで肩をトントンとリズムよく叩く。




直兄には万が一の為


亜嵐の手を握ってもらう。




ギュッて目を瞑ってる亜嵐を見たら



可哀そうな気持ちになって手元が狂いそうだから


なるべく手元に集中し、スッと麻酔を打った。

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