File1:小説家、犯罪の街へ ページ1
「なるほど、ここが米花町………」
私が足を踏み入れた街は、私が前世で___私の記憶は完全にコナン・ドイルなので、前世な気分はしていないが___描いていた物語を思い起こさせるような名前を懐かしく思いながら、私は街を歩く。
コナン・ドイルとしての記憶を持って生まれてはや17年。
未だに私の著作は読み継がれていて、コナン・ドイル、という名はそこそこ世間様に知れ渡っているらしい。有難いことだ。
とはいえ、私は今はA・コナン・ドイル。何の因果か、私は再び、ドイル家に産まれてきてしまった。
イギリスで生まれ育った私が何故、日本に来たのか。
まあ、とある事情があったから、としか言えない。
「さて、と……学校に通うのは明日からだし、今日はこの街の散策でもするとしようか」
そんなことを悠長に考えていた私を殴りたいと思うのは、この数時間後である。
*
*
*
「この外人が犯人に決まってるわ!!」
「………」
ヒステリックに叫ぶ女性。
私は思わず額を抑えてしまった。
街を散歩し、あるレストランで食事をしていたら、殺人事件が起きた。
小説の中では飽きるほど殺人を書いてきた私だが、実際に遭遇したことなどないし(無かったはずだ)、ホームズのように事件を解決したことも無い(いや、冤罪事件は晴らしたことはあったが…)。
関わりたくないと思ったのだが、何とまあ、被害者の恋人が私を犯人扱いしだしたのだ。
「私はその方を全く知りませんし、殺す動機だってないでしょう。それから、外人、というのは差別的な言葉です。やめていただきたい」
そう反論すれば、女性は私を憎々しげに睨みつけた。
いや、私が貴女に何をしたというのだ。警察も、女性の言うことを信じてはいないようだった。当たり前だが。
だがそれでも、巻き込まれてしまった私は身動きが取れず、仕方なしにその場に残る。
しかし、さっきから気になっているのが………
「少年、君はここに居ていいのか?」
「えっ、あ、えっとー、僕も第一発見者だから!」
「…………君、おかしな子だな」
「え」
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水無瀬 零(プロフ) - 面白かったです!ベイガー街の亡霊楽しみにしてます! (2022年5月24日 20時) (レス) id: f8abb227c5 (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^) - 楽しみにしてます! (2021年12月11日 9時) (レス) @page10 id: bd739fb955 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 面白かったです。更新楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2021年7月30日 9時) (レス) id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - 平井くんが思いの外イケメンで動揺が隠せません (2021年6月12日 9時) (レス) id: 579ee633f4 (このIDを非表示/違反報告)
プリン(プロフ) - 面白いです!!更新楽しみにしてます! (2021年6月9日 19時) (レス) id: fad1ae5811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨ノ | 作者ホームページ:
作成日時:2021年5月13日 21時