彼女が疑われ役なので私はトリップライフを満喫しようと思う【名探偵コナン】

トリップライフ03 ページ3

「あー！ Aお姉さん！」





日曜日。工藤邸に向かっていると、歩美ちゃんに声を掛けられた。
振り向けば、そこには少年探偵団のいつものメンバー達。




くっ…かわいい……。




「皆、今日も博士の家？ あれ、でも哀ちゃんが居るね？」




「さっきまでポアロに居たんです！」



「安室のにーちゃんの新作ケーキ食べたんだぜ！」



「それでね、安室さん、Aお姉さんに会ったらケーキ渡して欲しいって！ ほんとに会っちゃった！」





歩美ちゃん達少年探偵団は、そう言って、はい！とケーキが入っているであろう箱を差し出してくれた。



ありがたく私はそれを受け取る。





「ありがとう。勉強終わりに食べるね。沖矢さんの分………は多分無いだろうな…」




「………貴方達、宿題するなら、工藤邸でやってもいいんじゃない？ 私は遠慮しておくけど」




「おい、どうしたんだよ灰原、そんな急に…」




「女子高生と成人した男が2人きりなんて何があるか分からないじゃない。そもそも、いつもはどこかの店でやるのに、どうして今日はあの家なのよ」




「昴さんに聞けよ……」





なんていう二人の会話が聞こえてきたけど、心配しなくていいと思う。
私は脇役としてこの世界を満喫してるだけだし、多分疑われ役のあの子が愛されていくんだろうから。



でも、賑やかなのも良さそうだな。





「貴方達も一緒にお勉強する？」




「良いんですか？」




「ならそうしようぜ！」




「うん！」




「だったら、ケーキ買っていこっか！ お姉さん、最近バイト代入ったんだ〜」




「やったー！！！！」




子供たちのはしゃぐ声を聞きながら、私は顔が緩むのが分かった。
うん、やっぱりこういう日常が1番だ。



最初に、原作でのAAの初登場時の場面に起こった事件以来、何かの事件に巻き込まれることもないし。



うん、平和だなあ。




そして、ケーキを買って工藤邸にお邪魔した。





「こんにちは」



「こんにちはー！！」



「……おや、君たちも一緒ですか？」




「あはは…」





＿＿＿＿
(なるほど、宿題を……)
(ほんのり残念そうにしてんな、赤井さん)




＊＊＊
沖矢昴(赤井秀一)
Aの勉強を見ている人。
親しくなった頃合いに家へ誘うことに成功。
しかし子供たちもついてきて少しがっかり

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