検索窓
今日:2 hit、昨日:12 hit、合計:66,849 hit

1-3 ページ3

何故人を殺すのか。



そう問われれば、答えは、"彼らが僕の大切なものの邪魔をしたから"だろう。
母の陰口を言ったり、親友を虐めたり、父をクビにしたり、兄を追い詰めたり…。



そういった、害悪を始末していた。
解決策を見つけるより、慰めるより、その原因を殺した方が早いと思った。



ただそれだけの事だ。



だからこの世界でも…と思っていたのに、大体そういう輩は僕以外からも恨まれていたりする。



そのせいで、今まで全敗だ。不戦敗。




「全く勘弁して欲しいよ……」



「ああ、また第1発見者になったんですか?」



「安室くん…」




あーあ、とポアロのカウンター席で大きなため息を吐けば、ポアロの看板店員の1人の安室くんがコーヒーを置いて、そう話しかけてきた。




「榊さん、本当に運が悪いというか…大丈夫ですか?」



「ああ、うん、大丈夫だよ。血とか、怪我とか、遺体とかは職業柄見慣れているから…見慣れてても、まあ…良い気分にはならないよね。


何かさ、現場に来た刑事さん達も、もう『またお前かよ…』みたいなあからさまな表情浮かべてくるんだよ? 肩身狭すぎるよ…。
たまーに、事情聴取で警視庁行くことあるけどさ、こうも第1発見者になりすぎると、逆に同情してくれる人もいて、この前なんて、『あ…カツ丼、食べます?』って」



「………お疲れ様です…。あ、これサービスです」



「ありがとう、安室くん…」




イケメンにすごく気を使わせてしまった。反省反省。




「何かもう、第1発見者になりすぎていつか本当に捕まるんじゃないかな」



「まさか、殺人で?」



「いや、第1発見多発罪」



「はは、何ですそれ」



「誤認逮捕はされないと思ってるよ。日本の警察は有能だからね」



「…そうですかね?」



「ああ。それに、何故か探偵も多いし。この街だけで何人探偵が居るんだろうね?」



「まあ…確かに…」



「まあ、でも…」



僕は捕まるなら、安室くんがいいかな。



ぼそりとそう呟けば、その呟きは彼に聞こえていたらしく、「僕は警察じゃないですよ」と苦笑いされた。



「安室くんならなれそうだけど」



「いえ、僕にはそんな…」


「それは残念だな」

榊医師→←1-2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (306 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1055人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

咲楽帝 - 最高 (2022年1月21日 19時) (レス) id: f31a757e38 (このIDを非表示/違反報告)
美紅 - 銀ちゃんたァ俺のことよさん» マジで分かります。ところで、名前のクセすごいですね (2021年7月19日 21時) (レス) id: b75236f17d (このIDを非表示/違反報告)
銀ちゃんたァ俺のことよ - ただただ面白いです。本当にガチで貴方のオリジナル小説を書籍で読みたい。 (2021年6月9日 18時) (レス) id: 43784786f9 (このIDを非表示/違反報告)
あかずきん(プロフ) - また…!!また!!貴方様は神作をお作りになったのですか!!最高に面白いですよありがとうございます!! (2021年5月16日 0時) (レス) id: 0fcb647dca (このIDを非表示/違反報告)
黒月白蘭 - 神作者様に出会えてとっても幸せです…!めちゃくちゃ面白いです!この作品はもちろん他の作品も大好きです!続き楽しみにしてます! (2021年5月15日 17時) (レス) id: 6561cece79 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雨ノ | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年5月6日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。