検索窓
今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:116,723 hit

過去の話 ページ8










「…五条家の次男、六眼の持ち主なんですって?」

「そうそう…、これはもう、五条家を継ぐのは次男で決まりだな」

「あーぁ、今まで長男に尽くしてきたのに意味はなかったわけね…」



ーー五条悟の誕生によって、五条Aの立場は今までとは打って変わった。


当主の座は彼の物ではなくなり、そんな彼にはなんの価値も無いと、離れる者も少なくは無かった。


「A様…」

「ん? 俺は大丈夫だ。そんな顔をするな、三枝」

「……」


三枝と呼ばれた少女は、唇を震わせ、そして噛み締める。
怒りか悲しみか_身体を震わせる少女を見つめ、Aは困ったように微笑んだ。

三枝の頭に手を乗せ、優しく撫でる。

幼少期から傍に居てくれた幼馴染の1人は、親の意向で弟の世話係となる。
少女はそれを固く拒んだが、覆せぬ決定だった。


「有栖川は…、どうする?」

もう1人の幼馴染は、相変わらず何を考えているか分からない表情で、じっと二人を見つめていた。

彼には選ぶ権利はあった。


「__…俺も五条の坊やのところに行くよ。一目見て気に入ったからな」

「そうか」

「それに、だ」


有栖川はAを見つめ、ニッと笑う。
いつも真顔の彼がこんな顔をするのは、家族と幼馴染に対してだけだ。


「ーー俺ァ、お前とは対等で居たい」


主人と使用人じゃねえ、ただの親友で居たい。


その言葉に、Aは顔を歪めた。
今にも泣きそうな表情を浮かべ、ありがとう、と呟く。


「__おい」


その時、有栖川とAの間に、割って入る子供が1人。
ーー五条悟だった。


有栖川をキッと睨みつける。


「兄さんを泣かせるな」

「…へえ?」


有栖川は愉快そうに口角を上げる。
そしてガシッとその頭を掴んだ。


「ーーよぉ、クソガキ。その兄さんはな、てめぇのせいでこんな端っこに追いやられてんだよ」

「っ…!」

「有栖川…! 悟を離せ!」


普段は温厚なAが珍しく声を荒らげて制止する。
有栖川は、そんなAを見つめ、そして告げた。



「ーー俺は呪術師じゃねえけどな、同じ土俵で負ける悔しさは分かってるつもりだ」


→→→
有栖川→そのボディガード、クズにつき取り扱い注意【呪術廻戦】

新作:おまわりさんと五条青年→←作者より(腐にするか否か…)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (375 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1149人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紅葉 - 兄受けで!!! (2021年5月4日 22時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - 私は腐作はニガテなので普通に兄弟もの、或いはコメディ色強めな展開になるのが良かったです。(´・ω・`) (2021年5月3日 23時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬 白羽(プロフ) - 兄受けがいいです!!! (2021年5月2日 10時) (レス) id: 86a711b866 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ先生尊い(プロフ) - 兄受けがいいです! (2021年5月1日 22時) (レス) id: 2002df332e (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 話を読んだ感じで考えたら、兄受けかな( ̄▽ ̄)…… (2021年5月1日 8時) (レス) id: de8b53d880 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雨ノ | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年3月16日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。