そのボディガード、クズにつき ページ1
*
*
「申し訳ありません、坊っちゃま。やらかしました」
「遅刻した挙句に第一声がそれかよ」
五条家の一室。
パーカー姿の少年と、その少年の前に直立不動で立つスーツ姿の男が居た。
「…で？ 何やらかした。借金取りボコしたか？ それとも何十万かスったのか？ それともそこら辺の女に子供が出来たとか？」
少年の口から出るとは思えないような出来事をつらつらと挙げていく少年。
そして至極真面目な顔をして、告げる。
「あー、坊っちゃま惜しい。最後だけは不正解です」
「いや惜しいとかじゃねぇんだよ。惜しかねぇんだよ。当てたかねーよこんなこと！」
「流石に俺でもそこら辺はちゃんとやってますから」
「いややってるかやってるかじゃなくて、1人に絞れよクソ野郎」
お前、ここの大半の女の使用人にも手ぇ出してんだろ。と少年は頭が痛いと言わんばかりに額を抑える。
そんな少年を見て、男は思う。
ーーここの女の使用人、もう全員抱いたとか言えねー。
「俺が悪いんじゃないですよ。向こうから誘ってくるんで」
「いや断れよ。お前のせいで辞めた使用人何人居ると思ってんだ」
「え、俺のせいなんですか？」
「お前のせいだよ」
痴情のもつれで辞めていく使用人が多いんだよ、と少年はため息を吐く。
男は他人事のように、へえ、そうなんですね。と相槌を打った。
「…いつか刺されんぞ」
「それは無いです。俺、強いんで」
「それについて反論出来ねーのが悔しいわ」
「ありがとうございます。ちなみに、坊っちゃま。借金取りじゃなくてヤのつく方々のシマ荒らしたらしくて、それで殺されそうになったところを返り討ちにしてやりました。
なので残念！ 完全正解は1問だけでしたね」
「俺が今すぐお前を殺してやりてぇよ」
こめかみに青筋を浮かべ、少年はそんなことを呟く。
そんな怖いこと言っちゃダメですよ、と男は少年の頭を撫でた。
少年は忌々しそうに舌打ちをする。
「お前、呪い殺されても文句言えねぇからな？」
「そうなったら、坊っちゃまが助けてくれるんでしょう？」
「はっ、何で俺が」
「助けてくれないんですか？」
男は少年をじっと見つめる。
少年はそんな男から目を逸らし、再び舌打ちをした。
「その顔で見んな」
「悟坊っちゃまって俺の顔大好きですよね。この面食い」
「マジで殺すぞ有栖川」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 697人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅葉(プロフ) - お兄さんの方から飛んできました！ 展開にワクワク……とうじさんのこの後の展開にぴえん……多くの感情う渦巻きつつ読んでおります笑笑！ 無理なさらぬ程度に更新頑張ってください！ 続き楽しみにしています！ (2021年3月20日 22時) (
レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 五条少年が苦労するとか面白すぎwwwホントなら反面教師になるんだろうけど、恐らく彼を見て育ったから将来クズになるのかと想像してしまいます(笑) (2021年3月14日 22時) (レス) id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 好きです（絶命） (2021年3月14日 21時) (レス) id: 824a9496d4 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ - 入さん» 本当ですか！！！ (2021年3月14日 19時) (レス) id: f539e89f92 (このIDを非表示/違反報告)
入(プロフ) - めちゃくちゃ好みの話です！！！！！！！！！！！！！！！！！ (2021年3月14日 16時) (レス) id: 6c29c74858 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨ノ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年3月14日 9時
