菊逢さんは幽霊隊士 (ページ22)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:1,595 hit

番外編➋ 旅は最高ページ22

そして、次の日。
私たちは早起きして、着替えたり、荷物の最終確認したり。
ちなみに私はちょっとだけおめかししてみた。ほら、あの女学生が着てる袴？なのかな。それのもっと柄や飾りが多いやつ。隊士といえども女の子ですからね。
あと、墓地に一人で残してくなんてことしたくないので、留守番は他の隊士に頼んで、結も連れてきたよ！旅館の予約なんて追加すればいいし。

～数十分後～

『では、みなさん行ってきまーす！』
炭「行ってきます！」
我「ウヘヘ。女の子三人と温泉旅行…。」

ん？二人じゃなくて三人？ちょっと、うちの結をそーいう目で見たら八つ裂きにするからね？

胡「楽しんで来てくださいね～。でも、気をつけてください。まだ完治してないんですから！」
『大丈夫です！じゃあ、また三日後に来ます！」

よーし、しゅっぱーつ！
まずは、汽車に乗りまーす！

嘴「出たなこの土地の王！勝負しろ！」
炭「こら伊之助！この土地の守り神かもしれないだろ？」
我・結・艶・菊「「「『よく飽きないな/わネ、あいつら/ラ。」」」』
禰「むんむん。」

…これは「うんうん。」って言ってるな。私でもわかる。
そして汽車に乗り、いたば組(第5話参照)のどんちゃん騒ぎから離れて、私たちは女子旅を楽しんだ。

結「わぁ～、すごいです師範！景色が後ろに流れてく～！」
禰「ムームー。」(早く箱から出たい禰豆子)
『綺麗…。』

前乗った時は任務で、窓の外を見る余裕なんてなかったもんな。

艶「あっ、A！お弁当売ってるわヨ！」
『本当だー。あっ、すみませーん！これとこれくださーい！』

…という感じでのーんびりしていたら、いつの間にか目的地に到着。

『うわぁ～！』

汽車の戸を開けると、そこには真っ青に広がる大空。そのすぐ下には、やっぱり青く光る海。そして、そのすぐ横には、どこまでも深い、綺麗な緑色の山々。遠くへ向けて霞んでいく。目をこらすと、その間を縫うように、これまた青く光るたくさんの糸が見える。一言で表すと、絶景。
他のみんなも、次々に「すごーい」とか「きれーい」とか言っている。
絶対なんてものはないはずだけど、なぜかこれだけは言える。

ーこの旅は、絶対にかけがえのない思い出になる。