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搬送された東京海浜病院で数日入院して、私は自宅安静を続けていた。といっても、肺の機能も問題なく回復したし、左腕は広い範囲で火傷になっていたけれど、日常生活を送る上では問題ない。
ホテル暮らしをやめた私は自宅に戻ってきていて、忙しいはずの尚は例え一瞬であったとしても必ず家に戻ってきて私の顔を見る生活がゆっくりと続いていた。
「尚」
「…うん？」
「大丈夫？」
「そっちこそ」
ソファに座る尚の横にきた私は、自分の身体を尚に寄せた。打ち身になっていたところが痛かったせいで、最近ようやく出来る様になったのだ。
尚の指が、包帯が巻かれたままの私の腕をなぞる。
「…この跡、残るだろうな」
「傷物でも、尚はもらってくれる？」
「そんなの当たり前だろ」
「ふふ、よかった」
火傷の跡は残りやすいのも仕方がない。それでも生きてるんだから十分だ。
あの日、生きて帰れなかった涼香さんと比べれば。
「涼香さんに、言えないままになっちゃったな。私と尚が付き合ってること」
「…うん」
「いつでも言えると思ってたけど、いつでもはないね」
「そうだな」
涼香さんが私や尚に残していった傷は、私の火傷の跡のようにずっと残り続けるだろう。せめて後悔しないように、私たちはこれからを生きなきゃいけない。
「明日、MERの最終審査がある。そこで俺は、MERを終わらせる。…ごめん。でももう、こんなことはうんざりなんだ。今回は涼香さんだったけど、これがもし、Aだったらって思うと」
尚が私の肩を抱いて、腕の中に引き込んだ。
もう痛くないのに、加減をしながら抱きしめられる。あの日以降、尚はずっとこんな調子だ。
「……尚が決めたんなら、私はそれを見届けるよ」
「…ありがとう」
包帯を巻いている方の手を伸ばして、私は尚の頭を撫でた。小さい子にするように、愛情をたくさん込める。尚のしようとすることは、間違っていないんだと思いながら。
「…あのね？明日から仕事復帰する。しばらくは内勤でいいって話だから」
「無理するなよ。何かあったら連絡して」
「うん」
世間は喜多見チーフと赤塚知事、そしてLP9のことで持ちきりだ。私はといえば、局の方から公式にテロリストとは関与していないことが書面で出ていて、私自身にもそれ以上叩ける要素がなかったからか、自然に鎮火したように見える。
だからこそ、そろそろ復帰してもいいと連絡が来たのだ。
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みずたま(プロフ) - りゅうかさん» コメントありがとうございます。月島さんたちに助けられるお話ってどんな感じになるんだろう…って考えてました。音羽先生が出る幕あるのかな…考えてみます！ (2021年9月23日 9時) (
レス) id: f07c1a6963 (このIDを非表示/違反報告)
みずたま(プロフ) - すずもりさん» レス遅くなりましてすみません！なかなか難しい月島さんとの絡みですが、月島さんも自分の信念を持ってお仕事しているところが書けたらなあと思って書きました。お読みいただきありがとうございました！ (2021年9月23日 9時) (レス) id: f07c1a6963 (このIDを非表示/違反報告)
りゅうか - 初コメ(？)失礼します🙌🙌夢主ちゃんが月島刑事達に助けられる話を読んでみたいです、、！急なリクエストすみません🙇♀️陰ながら応援させていただいてます！ (2021年9月21日 23時) (レス) id: 245bf84ae7 (このIDを非表示/違反報告)
すずもり(プロフ) - みずたまさん!!リクエストに答えてくれてありがとうございました!!月島さんの人間味っていうのかな？←語彙力なくてすみません(笑)国民を大事におもってるシーンがみれてよかったです!!あらためてありがとうございました♪ (2021年9月18日 19時) (レス) id: 850617dc48 (このIDを非表示/違反報告)
みずたま(プロフ) - かかしさん» 初めまして！コメントありがとうございます。私も音羽先生大好きなのできゅんきゅんしてもらえるのとっても嬉しいですー！これからもお読みいただけると嬉しいです！ (2021年9月18日 18時) (レス) id: 38cf2160fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずたま | 作成日時：2021年9月16日 11時
