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朝起きると珍しくまだ寝ているAの寝顔を見つめて「ふふ、」と笑みが溢れた。
時計が指すのは9時半で「昨日遅かったからな」と彼女の髪の毛を撫でると気持ちよさそうに寝息を立てる。彼女の鼻先を人差し指でちょん、と触れたら愛おしさでため息が出た。
美「はぁ、」
無事に、お花畑にやってきてしまったな。
・・・けど、この展開は。
美「最高すぎる」
「・・・」
美「ふふ、」
たーっぷり愛した次の朝には昨日の大人の女性の表情なんて幻のようで、すっかり可愛い恋人ちゃんに戻ってしまったわけだけど。
次が、楽しみすぎるな。
彼女とは初めてなのに、思いっきりがっついてしまった。
次を考えるとニヤけが抑えられないくらい。
そう思ってるのは、内緒だけど。
寝顔を見つめながら存分にその姿を見つめていると目に入った、赤い痕。彼女の首元。勢い余って見えるところにマーキングしてしまったの・・・怒られるかな。
美「・・・、」
「んっ、」
美「(笑)」
人差し指でそれに触れると擽ったそうに声を零す彼女に頬が緩み、額に唇を落とすと彼女はちょっとだけ嬉しそうな表情になった、気がした。
疲れさせてしまっただろうから、Aを寝かしておこうと思って俺だけベッドを出てさらけ出されたままの白い肩に毛布を掛け直してから部屋を出ようと扉を開けると、背中から「・・・みゅう、さん？」と聞こえて体半分を部屋に戻す。
パチパチと瞬きを繰り返し俺にゆるっと視線を向けてきたA。
美「おはよ」
「・・・どこいくの？」
美「顔洗うだけ」
「ん」
美「まだ寝てな？」
「ん。」
枕に頭を押し付けたままコクッと頷いた彼女はまた目を瞑ってもぞもぞ動くと俺に背中を向けてまた眠るように俺の枕を抱きしめた。
美「(笑)」
可愛すぎるだろ、とまた幸せのため息を零し部屋を出ると隣の部屋の前でこちらをじっと見てくる萩ちゃんと思いっきり目が合ってしまった。
美「っ！・・・お、おはよ、はぎちゃん」
慧「お前いま誰と喋ってた？」
美「はい？」
慧「まだ寝てな？って誰かそこにいるの？」
ズカズカこっちに近寄ってくる萩ちゃんを見て慌てて自分の部屋の扉を閉めると彼はじーっと俺を見つめて、「ふーん」と頷くと不審者を見るように俺を怪しむ。
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作者名：愛美
| 作成日時：2020年9月20日 2時
